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生きた細胞の中を染めずに三次元動画で撮る顕微鏡、東大と理研が開発
東京大学と理化学研究所が、生きた細胞の中を色素で染めずに、1秒に19.2個の立体像として撮れる顕微鏡を開発した。立体の撮影は従来の約400倍速くなり、脂肪をためる粒が奥へ動く様子まで追えた。
人の細胞の遠い祖先に最も近い微生物、初めて培養 千葉のガス田の井戸から約3年 JAMSTECなど
海洋研究開発機構(JAMSTEC)や名古屋大学などのチームが、真核生物に最も近い親戚とされる微生物「ヘイムダルアーキア」を、世界で初めて培養した。細胞の中は単純で、外側に長い突起をのばし、ほかの微生物とくっついて暮らしていた。論文は10月29日(日本時間)にNatureに載った。
脳腫瘍の再発を防ぐ薬を、超音波で脳の奥まで MITが厚紙ほどの薄さの埋め込み装置
脳腫瘍の手術で、がんの細胞をすべて取り切るのは難しい。MITのグループは、手術のときに脳に埋め込み、薬を少しずつ出しながら超音波で遠くまで広げる装置「LUCID」を作った。ゲルとマウスで、薬が広く届くことを確かめた。人での試験はまだだ。
細胞の小さな「利き手」が、センチメートル級の時計回りの渦に 理研などが粘菌で発見
寒天のくぼみに置いた細胞性粘菌の細胞が次々に出ていくと、集団は時計回りに回るセンチメートル級の渦を作った。理研と筑波大学などが発表した。もとは、細かく測らないと見えないほど小さな、細胞1個の向きの偏りだ。
筋肉の細胞1層で泳ぐ、紙のように薄いロボット MITが光を当てて迷路を進ませた
MITが9月29日に発表した研究で、光に反応する筋肉の細胞1層で動く、紙のように薄いロボットが水の迷路を泳いだ。2枚のひれに光を当て分けて向きを変える。速さは1分で体の長さの約4倍で、まだ実験室の段階だ。
カラスの判断、人やサルの約2倍の速さ 2羽が動く点の向きを平均235ミリ秒で見分けた
ドイツのテュービンゲン大学の研究チームが、ハシボソガラス2羽は画面の点が動く向きを平均約235ミリ秒で見分けたとScience誌に発表した。人やサルで観察されてきた速さの約2倍だが、同じ実験で並べて測ったわけではない。
体内でがんを狙う免疫細胞を作る 大阪大学が標的の入れ替えも確認 マウスでの結果
患者の免疫細胞を体の外で加工せず、mRNAを注射して体の中でCARを作る方法を、大阪大学などの研究グループがマウスで試した。狙う抗原も、mRNAの配列の入れ替えで変えられたという。人での効き目は確かめられていない。
チンパンジーのDNAに残る古代のウイルスが、人の脳の発達に関わる遺伝子を止めていた スウェーデンの大学が報告
スウェーデンのルンド大学のチームは、数百万年前にチンパンジーの祖先に感染したウイルスの名残が、遺伝子「LINC00662」の働きを止めていると報告した。同じ遺伝子は人では働いていて、脳の初期の発達で重要な役割を担うとみられる。人とチンパンジーの脳の違いの説明の一部になりうるという。実験は細胞で作った脳オルガノイドで行った。
大阪大学など、炎症性腸疾患の飲み薬の候補 マウスの腸炎を改善 人での効果は未確認
大阪大学などの研究グループは、糖鎖を付ける酵素FUT8の働きを止める飲み薬の候補を、炎症性腸疾患に似た腸炎のマウスに与え、腸炎が軽くなることを確かめた。試したのはマウスと細胞だけで、人での効き目や安全性はまだ確かめられていない。
大阪大学など、尿の粒子から炎症の由来組織と細胞状態を同時に捉える技術を開発
大阪大学などの研究グループは、細胞が放出する微小な粒子の表面と内部を同時に調べる技術を開発した。腎移植患者の尿で、腎臓と炎症に関連する情報を併せ持つ粒子を検出。診断への応用は今後の課題だ。
名古屋大、鉄ナノ粒子と光を使うがん治療基盤を開発 腫瘍の画像化と治療を両立
名古屋大は、鉄ナノ粒子と光を使うがん治療基盤「NIR-PICT3」を開発したと発表した。腫瘍を画像で確認しながら、複数の治療を組み合わせる研究だ。同大によると、標的ではない腫瘍細胞にも治療効果が及んだという。
京都大学、肺神経内分泌がんが免疫を抑える仕組みを解明、セロトニンが関与
京都大学などは、肺神経内分泌がんがセロトニンを使って免疫を抑える仕組みを発表した。細胞実験とマウス実験で確認し、マウスではセロトニン産生などを阻害すると免疫療法の効果が高まったとしている。
大阪大学、脳梗塞後の脳浮腫の仕組みを発見 マウスで繊毛再生と浮腫軽減を確認
大阪大学の研究班は、脳梗塞後に脳へ水分が入り込み、脳浮腫を起こす仕組みをマウスで調べた。細胞の繊毛が失われることが関わり、薬で再生を促すと脳浮腫が軽減したという。ヒトの患者の死後脳組織でも繊毛消失を確認した。
ケルン大学、寒さで線虫の寿命が延びる代謝の仕組みを特定 人での効果は未確認
ケルン大学の研究チームが、寒さで線虫の寿命が延びる仕組みの一部を突き止めた。筋肉で増える物質「BH2」が体じゅうに運ばれ、寿命を延ばしていた。調べたのは線虫と人の培養細胞で、人の寿命が延びるかは分かっていない。
人の脳の細胞の小さなかたまりが点字を「読み分けた」 英ブリストル大、3つ組み合わせて正解率83%
英国のブリストル大学の研究チームは、人の幹細胞から育てた脳の細胞の小さなかたまり(脳オルガノイド)に、点字の26文字を触覚センサーで読み取った信号を電気で送り、その反応から文字を見分けられることを示した。1つでは正解率61%、3つの反応を合わせると83%になった。論文は2026年10月16日、学術誌「Frontiers in Artificial Intelligence」に載った。
「火のアメーバ」、63℃でも分裂 核を持つ細胞の生き物の耐熱記録を塗り替えたと報告
米シラキュース大学などの研究チームは、米国の国立公園の温泉の流れで見つけたアメーバが、63℃で分裂して増えると報告した。核を持つ細胞の生き物で、60℃を超えて増えると示された例はこれまで無かったという。論文は学術誌「Cell」に載った。
セキセイインコの歌と身ぶり、同じ神経細胞に両方の信号が混在と研究陣が報告
セキセイインコの歌と頭の動きを調べた研究で、同じ神経細胞に発声と身ぶりの両方に関わる活動が見つかった。相手との組み合わせが変わると、共有する歌と身ぶりの型も新たに生まれたという。論文はプレプリントだ。
名古屋大学など、尿中の粒子を1粒子ずつ調べ炎症の由来と状態を探る技術を開発
名古屋大学などが、細胞の放出する粒子の表面と内部を同時に調べる新技術を開発した。腎移植患者の尿で、腎臓と炎症に関わる分子を併せ持つ粒子を検出。体への負担が小さい診断や病態評価への応用を目指す研究だ。
医薬基盤・健康・栄養研究所、KRAS変異を狙い免疫細胞を導く抗体を開発
医薬基盤・健康・栄養研究所は、がんの目印と免疫細胞を結び付ける抗体を開発した。研究班によると、マウスで腫瘍の増大を抑え、異なる免疫の型が示す目印も認識した。膵臓がんや大腸がんへの応用を目指す研究だ。
アトピー性皮膚炎向け抗体「FJ0125」を作製、二つの標的を抑える研究
研究チームが、アトピー性皮膚炎向けの二重標的抗体「FJ0125」を作製した。ヒトの細胞やマウスで効果を調べ、皮膚炎の改善などを報告している。成果はプレプリントで、患者での有効性や安全性は資料に示されていない。
研究チーム、氷による原始細胞の形成を報告 膜の袋の中でタンパク質を合成
凍結と解凍によって分子を濃縮し、細胞ほどの大きさの膜の袋に取り込む研究が報告された。研究チームによると、袋の内部ではタンパク質も合成された。生命の誕生につながる物理的な経路を探る成果だ。
大阪大学、免疫のブレーキ役「制御性T細胞」の発生を促すタンパク質の働きを発見
大阪大学は、タンパク質のMBD3が、免疫反応を抑える制御性T細胞の分化を促すと発表した。マウスの解析で、その役割を確認したという。研究成果は2026年10月15日(日本時間)に科学誌へ掲載された。
大阪大学、肥満時の血糖を保つ細胞間の仕組み解明 マウスと培養細胞で確認
大阪大学の研究班は、細胞が放出する小さな袋が肥満時の血糖維持を支えると発表した。マウスと培養細胞で、インスリンを出す細胞との関係を調べた成果だ。人での治療効果を示した研究ではない。
オスのマウス1匹から、オスとメスのクローンを作り子孫も誕生 山梨大などがY染色体を取り除く方法、査読前の論文
山梨大学や理化学研究所などのチームが、オスのマウス1匹の体の細胞から、オスとメスの両方のクローンを作り、その間に子どもを生ませることに成功したとする論文を公開した。ゲノム編集で胚からY染色体を取り除き、オスをメスにする。絶滅しそうな動物を守る技術につながると期待される。論文は専門家の査読をまだ受けていない。
Caltech、ハエの威嚇を支える脳の仕組みを研究、翅と脚への信号を特定
Caltechが、キイロショウジョウバエの威嚇時に翅と脚を動かす脳の仕組みを調べた。脳内の細胞のつながりを示す地図を使い、威嚇を制御する細胞群から信号を受け取る主要な神経細胞を4個特定したとしている。
中国科学院、腫瘍細胞が持続的な圧迫で死ぬ仕組みを解明 転移を抑える働きも報告
中国科学院と復旦大学の研究チームが、持続的な圧迫で腫瘍細胞が死ぬ仕組みを報告した。細胞死に関わるタンパク質が、細胞の移動や転移も抑えるとしている。体外実験やマウスで調べ、ヒトの検体も解析した。
194歳のゾウガメ「ジョナサン」の遺伝子を調べたら 長生きの手がかりは、細胞のエネルギーを作る遺伝子に
世界で最も長生きしている陸の動物とされる、194歳のゾウガメ「ジョナサン」の遺伝子を、国際的な研究チームが詳しく調べた。ほかのゾウガメと比べ、老化に関わる仕組みの多くに、ジョナサンだけの遺伝子の違いが見つかった。論文は10月9日に科学誌「Science Advances」に載った。
ALSの原因とされる異常なタンパク質、細胞が取り除く新しい仕組みを発見 名古屋大学など
名古屋大学などの研究グループは、筋肉を動かす神経が少しずつ失われる難病ALSで、原因の1つとされる異常なタンパク質「TDP-43」を細胞が分解して取り除く、新しい仕組みを見つけた。この仕組みがうまく働かないことが、異常なタンパク質がたまる理由の1つかもしれないという。
MIT、免疫細胞を体内で改変する新手法を発表 がんなどを狙うマウス研究
MITは、免疫細胞のNK細胞を体外に取り出さず、体内で改変する手法を発表した。がん化したT細胞や自己を攻撃するT細胞を狙う研究で、マウスで効果を報告した。人への治療効果を示した発表ではない。
早稲田大学と理化学研究所、限られたアミノ酸でATPをつくる原始的酵素モデルを作製
早稲田大学と理化学研究所が、限られた種類のアミノ酸で原始的酵素モデルを作製した。細胞内でエネルギーを受け渡すATPをつくる反応を確認。生命初期のエネルギー変換を考える手がかりと位置づける。
名古屋大学など、実験のばらつきと病気の特徴を分けるAI「Kanade」を開発
名古屋大学などが、実験のばらつきと疾患などの特徴を分ける機械学習法「Kanade」を開発した。大学によると、糖尿病モデルマウスの実データでも、補正後に糖尿病関連の細胞状態の変化を捉えた。
京都大学、皮膚炎の再燃に関わる細胞を発見 症状改善後も皮膚に残る火種
京都大学は、アレルギー性皮膚炎の再燃に関わる細胞を発見したと発表した。炎症が治まった後も皮膚に残り、ほかの免疫細胞と集まるという。マウスで仕組みを調べ、患者の皮膚でも症状改善後に同様の集まりを確認した。
大阪大学など、肺がん治療薬が効きにくくなる仕組みを発見、酵素の関与を確認
金沢大学、大阪大学、がん研究会の共同研究で、肺がん治療薬が効きにくくなる仕組みに酵素が関わることが示された。肺がん細胞とマウスでは、この酵素を欠損させると薬の効果が高まったという。患者向けの治療法は今後の研究課題だ。
NASAのSpaceX Crew-12が地球に帰還、237日間の任務を終了
NASAのSpaceX Crew-12が地球に帰還した。4人は国際宇宙ステーションに7カ月以上滞在。NASAによると、幹細胞の生産や点滴液を作る技術、宇宙飛行士の健康維持に関する研究に取り組んだ。
QST、病気検出に向けた量子センサ新製法を発表、粒子のばらつきを低減
QSTがナノダイヤモンド量子センサの新製法を発表した。粒子の特性のばらつきを従来の約4分の1に抑え、量子センサ信号強度は55%向上したとしている。細胞内での温度計測も実施した。