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オスのマウス1匹から、オスとメスのクローンを作り子孫も誕生 山梨大などがY染色体を取り除く方法、査読前の論文

山梨大学や理化学研究所などのチームが、オスのマウス1匹の体の細胞から、オスとメスの両方のクローンを作り、その間に子どもを生ませることに成功したとする論文を公開した。ゲノム編集で胚からY染色体を取り除き、オスをメスにする。絶滅しそうな動物を守る技術につながると期待される。論文は専門家の査読をまだ受けていない。

TECHNOVA編集部AIにより執筆チェック済み公開 2026年10月16日 18:17・ 読了 約4分
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サイエンス
画像: 画像生成AIで作成したイメージ(TECHNOVA編集部)
TECHNOVA まとめ
要するに
  • ●オスのマウス1匹の体の細胞から、オスとメスのクローンを同時に作り、交配させて子孫を得た
  • ●ゲノム編集で胚からY染色体を取り除き、オスになるはずの胚をメスに変える「Y-CUT」という方法
  • ●絶滅しそうな動物を守る技術として期待される。論文は2026年8月に公開され、査読はまだ
じぶんごと

すぐに暮らしが変わる話ではない。ただ、最後の数匹になった動物を救う方法を考えるうえで、「オスしか残っていない」という行き止まりを抜ける道筋がマウスで示された。

この先どうなる

論文はまだ専門家の査読を受けていない。マウスではうまくいったが、X染色体が1本だけのメスは、多くの哺乳類では子を産めない。ほかの動物に広げるには、別の技術と組み合わせる必要がありそうだ。

オスのマウス1匹の体の細胞だけから、オスとメスの両方のクローンを作り、その2匹の間に子どもを生ませる。山梨大学や理化学研究所バイオリソース研究センターなどの研究チームが、そんな実験に成功したとする論文を、2026年8月4日に論文の公開サイト「bioRxiv」で発表した。論文は、専門家による査読(ほかの研究者のチェック)をまだ受けていない。

なぜこんな研究をするのか

クローンは、1匹の動物の体の細胞から作る、もう1匹の同じ遺伝子をもつ動物だ。数が減ってしまった動物を救う手段の一つとして使われてきた。MIT Technology Reviewによると、アメリカのクロアシイタチやモウコノウマを絶滅の淵から救う取り組みにも役立ってきた。

ただ、クローンは元の動物と同じ性別になる。オスから作ればオスしか生まれない。もし、ある動物で生き残りがオスだけになったら、クローンを作っても子孫を残せない。

研究チームが手がかりにしたのは、魚だ。魚の中には、まわりの状況に応じて性を変えられる種がいる。MIT Technology Reviewによると、研究を共同で率いた山梨大学の石内崇士さんは、沖縄の海にすむ、性を変えられるハゼのなかまから着想を得た。哺乳類の性は、受精のときの性染色体の組み合わせで一方向に決まる。研究チームは、この決まりを人の手で回り道できないかを考えた。

どうやってオスをメスにしたのか

哺乳類の性染色体は、メスがX染色体2本(XX)、オスがXとY1本ずつ(XY)だ。オスにするのはY染色体なので、これを取り除けば、オスになるはずの胚がメスとして育つ。

研究チームは、ゲノム編集の道具「CRISPR-Cas9」を使い、細胞が分かれるときに染色体を引っ張るための「取っ手」にあたる部分(セントロメア)を、Y染色体だけ狙って切った。取っ手を失ったY染色体は、細胞が分かれるたびにうまく受け渡されず、核の外に追い出されていく。研究チームはこの方法を「Y-CUT」と呼ぶ。論文の要旨によると、Y染色体は発生の早い段階で、核の外の小さな袋(微小核)として切り離された。

生まれたメスは、X染色体が1本だけの「XO」だった。マウスではXOのメスも子を産めるので、元気に育ち、子どもも生まれたという。

オス1匹から、オスとメスのクローン

次に研究チームは、クローンを作る方法(体細胞核移植)と組み合わせた。体の細胞から取り出した核を、核を抜いた卵子に移してクローンの胚を作り、その一部にY-CUTを施した。こうして、1匹のオスの遺伝情報から、オスのクローンとメスのクローンを同時に作った。

ナゾロジーによると、論文では、生まれたばかりのオスの細胞から作った13匹のうち10匹がメスだった。大人のオスのしっぽから採った血液の細胞でも、Y-CUTを使わなかった7匹はすべてオスだったのに対し、Y-CUTを使った11匹のうち10匹がメスになった。凍らせておいた細胞からもメスのクローンが生まれた。

そして、このオスとメスのクローン同士を交配させると、次の世代の子どもが生まれた。論文は、この「両性クローン」で、オスの体の細胞だけから、オスとメスによる繁殖を始められることを示したとしている。

かんたんに言うと

1匹のオスから、そのオスとそっくりなメスを作り、2匹で家族を作れるようにした研究だ。決め手は、オスにするY染色体を、胚のうちに取り除く技術にある。

残る課題

この方法には、まだ限りがある。MIT Technology Reviewによると、クローンを作るには、核を抜いた卵子が要る。卵子は同じ種か近い種のメスから得る必要があり、メスがまったくいない状況では、別の技術と組み合わせなければならない。また、マウスではX染色体1本のメスでも子を産めるが、ほかの哺乳類ではこの組み合わせだと子を産めないことが多い。ナゾロジーによると、ウマやヒトもそうだ。

石内さんは、細胞にもう1本のX染色体を加える技術にも取り組んでいる。2023年には大阪大学の林克彦さんらが、オスのマウスの細胞から卵子を作り、父親2匹から子を生ませたと報告しており、こうした技術と組み合わせる道もあるという。

日本ではどうなるのか

研究の中心は、日本の山梨大学と、茨城県にある理化学研究所バイオリソース研究センターだ。今はマウスでの基礎研究の段階で、すぐに絶滅しそうな動物に使えるわけではない。論文が査読を経て学術誌に載るかどうかも、これからだ。

生き物の細胞を凍らせて保存しておく「冷凍動物園」と呼ばれる取り組みが世界にある。MIT Technology Reviewは、凍らせた細胞からもメスのクローンを作れたことから、こうした保存施設のオスの細胞から、メスのクローンを作れる可能性を指摘している。

まとめ

山梨大学などのチームは、ゲノム編集でY染色体を取り除く「Y-CUT」を使い、オスのマウス1匹の体の細胞から、オスとメスのクローンを作って子孫を得たとする論文を公開した。絶滅しそうな動物を救う新しい道具になりうるが、論文は査読前で、ほかの動物に広げるには課題も残る。

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TECHNOVA編集部AIにより執筆
この記事は AI が執筆しました。

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月16日)

監修
佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

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