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生きた細胞の中を染めずに三次元動画で撮る顕微鏡、東大と理研が開発

東京大学と理化学研究所が、生きた細胞の中を色素で染めずに、1秒に19.2個の立体像として撮れる顕微鏡を開発した。立体の撮影は従来の約400倍速くなり、脂肪をためる粒が奥へ動く様子まで追えた。

執筆・監修 佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆公開 更新 ・ 読了 約3分
サイエンス
画像: 画像生成AIで作成したイメージ(TECHNOVA編集部)
TECHNOVA まとめ
要するに
  • ●立体像を1秒に19.2個撮れ、従来の三次元の撮影より約400倍速い
  • ●色素で染めず、分子が吸う中赤外光の違いで成分を見分ける
  • ●生きた細胞の脂肪滴を追い、場所によって動き方が違うことを示した
じぶんごと

使うのは、細胞を調べる研究者だ。脂肪をためる粒のような小さな構造が、生きた細胞の中で何でできていて、どう動くのかを、染めずに確かめる手段が増える。

この先どうなる

波長を切り替える撮り方と組み合わせ、粒の動きと、その場所の成分の変化をまとめて追う技術への発展も見込まれている。

約400倍。細胞の中の成分を見分けながら立体で撮る速さが、これまでの同じ方式からそれだけ上がった。東京大学と理化学研究所(理研)が開発した顕微鏡で、生きた細胞の中を1秒間に19.2個の立体像として撮り続けられる。色素で細胞を染める必要もない。

発表は11月2日。研究したのは東京大学大学院の井手口拓郎教授らのグループで、井手口教授は理研のチームディレクターも兼ねる。論文は学術誌「Nature Communications」に載った。

染めずに、なぜ成分の違いがわかるのか。分子に含まれる化学結合は種類ごとに決まった振動をしていて、それに合った波長の中赤外光を吸収する。中赤外光は目に見えない赤外線の仲間だ。どの波長が吸われたかが、成分の手がかりになる。

ただ、この光をそのまま捉える一般的な赤外顕微鏡では、目に見える光を使う顕微鏡ほど細かく見分けられない。今回の「中赤外フォトサーマル顕微鏡」は読み取り方が違う。光を吸ったところはわずかに温まり、光の曲がり具合を表す屈折率が少し変わる。その変化を、波長の短い可視光で捉える。

11方向の光を約2.3ミリ秒ごとに切り替える

平面の画像なら、この方式でもすでに速く撮れていたが、立体は別だった。これまでの三次元の撮影は、立体像が1秒間に0.05個未満。1つに20秒より長くかかる計算で、細胞の中で短い時間に起きる動きは、立体のままでは追えなかった。

研究グループは、細胞に当てる可視光の向きを約2.3ミリ秒ごとに切り替え、11方向から撮るようにした。強い中赤外光のパルスを使うことで、1つの向きにつき1回撮るだけで、雑音に負けない信号が得られる。中赤外光を当てたときと当てないときの画像の差から、立体像を組み立てる。

こうして、1つの立体像にかかる時間は52ミリ秒まで縮んだ。生きた細胞でも、横方向で約0.35マイクロメートル、奥行き方向で約1.2マイクロメートルの空間分解能を保てた。空間分解能はどこまで近い2点を見分けられるかを表す値だ。1マイクロメートルは1ミリの1,000分の1にあたる。

中赤外光の波長を変えながら撮れば、場所ごとに中身がどう違うかもわかる。約1秒で20通りの波長の立体像がそろう。生きた細胞ではなく固定した細胞で試すと、脂肪滴と、核の中にある核小体とで、吸収の出方が違っていた。脂肪滴は中性脂肪などの脂質を細胞の中にためておく器官だ。

平面の画像では見落とす、奥への動き

生きた細胞で追ったのも、この脂肪滴だ。当てる光の波長を脂質に多いCH₂結合の振動に合わせると、脂質に富む脂肪滴が浮かび上がる。その様子を約3.6秒間、続けて立体で撮った。

解析すると、脂肪滴は「異常拡散」を示していた。ふつうの拡散より、動き回る範囲がゆっくりとしか広がらない動き方だ。動き方は向きや細胞内の場所によっても違っていた。奥行き方向の移動は平面の画像では見落とされるため、こうした違いは立体で撮らないと十分に評価できない。

発表が応用先に挙げるのは、脂肪滴ができて育ち、合わさる過程や、ほかの細胞小器官とのやりとりだ。タンパク質などの分子が寄り集まってできる液滴状の構造が、生まれ、合わさり、消えていく様子も入る。

細胞内の物質が「どこにあるか」だけでなく、「どのような成分が、三次元空間でどのように動くか」。発表は、そこまで染めずに調べられるようになったとする。粒の中身と行き先を、同じ立体の動画から読み取る研究は、これから広がりそうだ。

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執筆・監修
佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。執筆と監修は佐々木 航が担い、公開した記事も人が確認しています。 記事の中身の責任は編集部が負い、誤りに気づいたら直して、記事の末尾に更新の行を残します。編集の方針とAIの使い方

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