京都市の自動運転バス、市バスの車両で100日間試験走行 2028年度の実用化をめざす
京都市の洛西ニュータウンで11月1日から、自動運転のバスの試験走行が始まる。今回は実際の市バスの車両を改造して使い、期間は昨年度の21日間から100日間に延びる。信号機との連携や遠隔での見守りも試し、2028年度の実用化をめざす。
ロボティクス- ●洛西ニュータウンの1周約6.9kmを、市バスの車両で11月から約100日走る
- ●信号機の情報や、道路脇のセンサーがとらえた死角の情報を車に送る仕組みも試す
- ●京都市は2028年度、システムが運転のすべてを担う「レベル4」の実用化をめざす
洛西ニュータウンでは、11月から運転手が乗った試験走行のバスが同じ道を回る。2027年2月には市民が試乗できる予定で、詳しくは京都市が改めて知らせる。
京都市は2027年度にかけて許認可の手続きを進め、2028年度の実用化をめざす。実現すれば、政令指定都市の市営交通で初めての例になるという。
21日間から100日間へ。京都市が進める自動運転バスの実証実験は、第2弾で試験走行の期間を大きく延ばす。2026年11月1日から、洛西ニュータウンで、実際の市バスの車両を改造した自動運転のバスが同じ道を回り始める。
まとめ役を務めるNTTドコモビジネスが10月26日に発表した。京都市は、バスの運転士が足りないことへの対応や、交通事故を減らすことに加え、市民の便利さや地域の活性化にもつなげたいとしている。
1周約6.9kmの道を、約100日間
走るのは、洛西バスターミナルを出て洛西ニュータウンを回り、ターミナルに戻る1周約6.9kmの道だ。京都市は、自動運転に向いた道路の環境などを調べ、レベル4の実用化の見込みが高い地域として、ここを選んだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車両 | 市バスの車両、いすゞ自動車の「エルガミオ」(中型のディーゼルバス)を改造 |
| 試験走行 | 2026年11月1日〜2027年1月31日(予定。12月29日〜1月3日を除く) |
| 走る時間 | 9時〜17時(日によって違う。夜の試験で19時ごろまで走ることもある) |
| 走り方 | 運転手が乗り、同じ道をくり返し走りながら、システムや車両を調整する |
| 市民の試乗 | 2027年2月1日〜14日(予定。内容は京都市が改めて知らせる) |
試験走行は「レベル2」で行う。アクセル・ブレーキと、ハンドルの両方の操作を、システムが部分的に自動で行う段階で、運転手が乗る。その先にめざすのは「レベル4」だ。決まった条件を満たす限られた場所で、システムが運転のすべてを受け持つ。
昨年度から変わること
2025年度の実証は小さな電気のバスだった。今回は実際の市バスの車両を改造し、ふだんの運行に近い条件で確かめる。新しく試すのは、次のような点だ。
- 信号機との連携: 信号機の情報を車両に送り、交差点でなめらかに止まったり進んだりできるかを確かめる
- 死角の情報を伝える: 洛西バスターミナルから右に曲がって出るとき、道路脇に置いたセンサーで、車から見えにくい所の情報を車両に送る
- 離れた場所からの見守り: 車内と車外の映像などを、遠くからリアルタイムで確認する
- 危ない場面の検証: レベル4の取得に向けて洗い出した、事故につながりうる場面を確かめる
道路の側の機器と車両が通信して安全に走る仕組みを「路車協調」と呼ぶ。車のセンサーだけでは分からない情報を、道路の側から補う形だ。
誰が何を受け持つのか
実施の主体は京都市で、実用化したあとは京都市交通局が運行する。NTTドコモビジネスが全体のまとめ役と通信の環境の整備を受け持ち、先進モビリティが車両の改造と自動運転のシステムの開発を担う。信号機との連携はオムロン ソーシアルソリューションズ、道路脇のセンサーは沖電気工業、遠隔での見守りの仕組みはNTTモビリティが受け持つ。関西電力送配電や同志社大学のモビリティ研究センターなども加わる。
2028年度の実用化に向けて
京都市は、今回の実証で技術的な課題を洗い出し、2027年度にかけて許認可の手続きを進める。そのうえで、2028年度にこの道でのレベル4の実用化をめざす。実現すれば、政令指定都市の市営交通として初めての取り組みになるという。
市民の試乗についての問い合わせは、京都市都市計画局歩くまち京都推進室(電話075-222-3483)が受け付けている。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月26日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。