250万年前のチョウの化石、今も生きている種で世界最古と判明 兵庫県で35年前に見つかっていた
兵庫県新温泉町で約35年前に見つかり、展示されていたチョウの翅の化石が、今も生きている種のチョウとしては世界で最も古いものだと分かった。慶應義塾などの研究チームが発表した。約250万年前のもので、これまでの記録を大きくさかのぼる。
サイエンス- ●兵庫県の約250万年前の地層のチョウの化石を調べ直した
- ●今も生きている種のチョウの化石として、世界で最も古い
- ●いま日本にはおらず、中国にだけすむチョウだった
博物館や資料館に並んでいる化石にも、まだ調べられていない発見が眠っている。地元の展示を見に行く楽しみが1つ増える話だ。
約250万年前の日本に、いまは中国にしかいないチョウがすんでいた証拠になった。当時の日本の自然を知る手がかりになる。
兵庫県新温泉町で見つかり、長く展示されてきたチョウの翅(はね)の化石が、今も生きている種のチョウの化石としては、世界で最も古いものだと分かった。慶應義塾が2026年10月13日に発表した。約250万年前のもので、これまでの最も古い記録を大きくさかのぼる。
何が分かったのか
調べたのは、慶應義塾幼稚舎の高橋唯教諭、慶應義塾の相場博明名誉教諭、進化生物学研究所と光洋精機の齋藤光太郎氏らの研究チームだ。
化石は、長さ42ミリほどの前の翅だ。新温泉町にある、約250万年前の湖の底にたまった地層から出た。翅のふちの形や、翅を支える筋(翅脈)の通り方を手がかりに、モンシロチョウなどを含むシロチョウ科の「ミヤマシロチョウ」の仲間だと分かった。
さらに、世界にいるこの仲間の約40種すべてと、翅の細かい特徴を見比べた。その結果、「ポターニンミヤマシロチョウ」という種と一致した。
このチョウは、いまの日本にはいない。中国の北部や北東部にだけすんでいる。約250万年前の日本には、このチョウがすんでいたことになる。
どのくらい古いのか
チョウは、昆虫のなかでも特に化石に残りにくい。種類まで見分けられる化石は、とても珍しいという。
これまで、今も生きている種のチョウの化石で最も古かったのは、栃木県那須塩原市で見つかった約30万年前のゴマダラチョウだった。今回の化石は約250万年前で、その記録を大きく塗り替えた。
35年ほど眠っていた化石
この化石は、新温泉町の役場の職員だった馬場正男氏が、35年ほど前に現地の調査で見つけたものだ。その後、町の教育委員会が管理する「おもしろ昆虫化石館」に寄贈され、展示されてきた。
展示を見に訪れた高橋氏が、教育委員会から標本を借りて研究を始めた。昆虫の化石にくわしい相場氏、チョウの分類が専門の齋藤氏と一緒に調べ、種を突き止めた。
研究の成果は、古生物学の国際的な学術誌「Journal of Paleontology」のオンライン版に、2026年7月29日に載った。
かんたんに言うと
「今も生きている種」は、絶滅せずに、いまも地球のどこかで生きている種類のことだ。大昔の化石の多くは、もう絶滅した生きもののものだ。今回は、250万年前の化石が、いま中国を飛んでいるチョウと同じ種類だと確かめられた。それだけ長いあいだ、同じ種が生き続けてきた証拠になる。
日本ではどうなるのか
日本で見つかり、日本の研究者が調べた化石だ。標本は、兵庫県新温泉町の「おもしろ昆虫化石館」で展示されてきた。いまの日本にいるミヤマシロチョウの仲間は、北海道のエゾシロチョウと、長野県などの山にすむミヤマシロチョウの2種だけだという。
まとめ
世界最古の記録は、新しく掘り出された化石ではなく、町の展示室に35年ほど並んでいた標本から見つかった。身近な資料館の標本にも、まだ知られていない発見が残っているかもしれない。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月13日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。