ケンブリッジ大学、ブラジルの自然植生減少を分析 政権交代と地域差に着目
ケンブリッジ大学主導の研究が、ブラジルの大統領在任期間と自然植生の減少を比較した。現ルラ政権下ではアマゾンの減少が縮小する一方、セラードでは拡大。3地域全体の減少は約2%しか縮小していないという。
サイエンス- ●ケンブリッジ大学主導の研究が政権と自然植生減少の関係を分析
- ●現ルラ政権下のアマゾンの年間減少は約29%縮小
- ●セラードでは年間減少が約50%増え、地域で差
森林保護の成果が気になる人に、アマゾンだけでは見えない自然の減少を示す研究だ。
アマゾン以外も含めた監視や保護の重要性が、さらに問われる可能性がある。
ケンブリッジ大学は2026年10月22日付の発表で、ブラジルの大統領と自然植生の減少の関係を調べた研究を紹介した。同大学主導の研究で、政権ごとの違いに加え、地域によって減少の動きが異なることを報告している。
アマゾンの改善だけでは見えない全体像
研究は学術誌「Environmental Research Communications」に掲載された。衛星データに基づくMapBiomasの土地被覆図を使い、1990~2025年を分析した。土地被覆図とは、地表が何に覆われているかを示す地図だ。
対象はアマゾン、セラード、大西洋岸森林の3地域。7人の大統領の在任期間を比較した。自然植生とは、その土地に自然に生育する植物のまとまりを指す。
研究によると、現ルラ政権の最初の3年間、アマゾンの年間減少は平均約99万4000ヘクタールだった。ボルソナロ政権下の平均140万ヘクタールより約29%少ない。
一方、セラードでは逆の動きが見られた。2023~2025年の年間減少は平均約128万ヘクタールだった。ボルソナロ政権下の約85万4000ヘクタールから約50%増えたという。
研究によると、ルラ復帰後も3地域全体の自然植生の減少は約2%しか縮小していない。
かんたんに言うと、別の部屋も見る必要がある
家の片方の部屋が片付いても、別の部屋で物が増えれば、家全体の状態はあまり変わらない。今回の結果も、ある地域の改善だけでは全体を捉えられないことを示している。
セラードはブラジル中部に広がる熱帯サバンナで、多くの川を支える重要な水源でもある。大西洋岸森林はブラジル東海岸に沿って広がり、長年の農業と都市化で分断されている。
研究者らは、保護の弱さやアマゾンの伐採抑制が、農地拡大をセラードへ移した可能性を指摘した。ただし、これは研究者らが示した可能性であり、確定した原因として述べたものではない。
また、強い環境法や衛星監視、森林破壊ゼロの協定と、生息地減少の抑制に関連があるとしている。
日本では
日本との関わりは発表には書かれていない。今回の分析対象は、ブラジルの3地域と大統領の在任期間である。
まとめ
今回の研究は、アマゾンの減少が縮小しても、ほかの地域を含めた改善は限られると報告した。政権と自然の変化を比べる際には、地域ごとの違いも重要になる。
今後は、アマゾン以外も含めた監視や保護の重要性が、さらに問われる可能性がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月22日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。