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アリババなど、AIにネットショップを1年任せる模擬実験 稼ぐAIも詐欺や資金切れに弱さ

アリババのQwen Teamなどの研究者が、AIにネットショップを1年間任せる模擬実験の論文を公開した。18種類のAIで試すと、元手を約14倍にしたAIがあった一方、どのAIも詐欺の業者にお金を払い、90回中10回は資金が尽きて破産した。

TECHNOVA編集部AIにより執筆チェック済み公開 2026年10月23日 04:45・ 読了 約6分
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AI
画像: 画像生成AIで作成したイメージ(TECHNOVA編集部)
TECHNOVA まとめ
要するに
  • ●アリババなどの研究者が、AIにネットショップを1年任せる模擬実験を公開
  • ●18種類のAIで試し、最も稼いだAIは元手を約14倍に。90回中10回は破産
  • ●どのAIも詐欺の業者にお金を払った。買い直しで値段を下げられたAIは少数
じぶんごと

ネットショップの運営や仕入れをAIに任せたい人の目安になる。日々の作業は回せても、詐欺の見抜きや資金繰りでつまずくことがあり、人の目はまだ要りそうだ。

この先どうなる

実験の道具一式は公開され、論文の後に出たAIの成績も足されている。同じ条件で新しいAIを試しやすく、AIに店を任せられるかの検証は続きそうだ。

中国のアリババグループ(Alibaba Group)でAIを開発する「Qwen Team」と、香港科技大学などの研究者が、AIにネットショップを1年間任せる模擬実験の仕組み「E-Commerce Bench」を作り、18種類のAIで試した結果を論文にまとめた。論文は2026年8月31日に、論文の公開サイトarXivに出た。最も稼いだAIは元手を約14倍に増やした一方、どのAIも詐欺の業者にお金を払い、資金が尽きて破産した回もあった。

どんな実験なのか

店の主人役は、AIのエージェントだ。エージェントとは、目標を与えると、自分で手順を考えて道具を使い、作業を進めるAIのこと。AIは10万元(中国の通貨・人民元)の元手と2026年の1年分の暦を渡され、中国のネット通販を模した市場で、年末の資産をできるだけ増やすよう求められる。論文によると、主な条件は次のとおりだ。

  • 店と商品: 店は12種類から選び、同時に4つまで開ける。開くのに500元、毎日60〜130元の運営費がかかる。商品は6,886点・60分類で、中国の通販「淘宝(Taobao)」と「天猫(Tmall)」のデータをもとに作った
  • 仕入れ先に詐欺の業者: 仕入れ先576社のうち152社は詐欺の業者だ。会費を払わせる、注文より少なく送る、不良品を送る、急がせる、あとで値引きすると約束する、の5種類の手口を使う
  • お金はすぐ使えない: 仕入れや運営費は、その日に銀行口座から出ていく。売上は発送から9日たって通販の口座に入り、AIが自分で引き出して初めて使える。銀行口座のマイナスが10日続くと破産になる
  • 仕事は全部AIが回す: 市場の調査、仕入れの値下げ交渉、値付け、発送、返品の対応、お金の管理を、18種類の道具を使って自分で進める。調べものにも作業にも、1日600分の「模擬の時間」がかかる
  • 記憶にも限り: 古いやり取りは自動で消えていく。消えずに残せるメモは最大20件

客の買い方と、仕入れ先の値段の決め方は、決まった計算と規則で動く。別のAIが仕入れ先のせりふを文章にするが、値段は動かせない。同じ行動をとれば結果は必ず同じになるため、成績の差はAIの判断の差だと論文は説明する。

うまくいったこと

OpenAI・Anthropic・Google・アリババなど7系統、計18種類のAIモデルを、それぞれ5回ずつ、計90回走らせた。

年末の資産の平均がいちばん多かったのは、OpenAIのGPT-5.6 Solだ。元手の10万元を143万1,425元、約14.3倍に増やした。2位のAnthropicのFable5は8.05倍だった。Fable5は道具を使った回数がGPT-5.6 Solより59.9%少なく、1回あたりの利益は479元と、GPT-5.6 Solの363元を上回った。

AnthropicのClaude Opus 4.7は、値下げ交渉と詐欺の回避の2つで18種類のうちいちばんだった。ただ、資産は2.59倍で8位にとどまった。中身(重み)が公開され、誰でも手元で動かせるAIモデルでは、アリババのQwen3.8-Max-Previewが41万6,252元(約4.2倍)で最も多かった。同じ仕入れ先から同じ商品を買い直すたびに安く仕入れられるようになったと、はっきり示せたのはこのモデルだけだった。

つまずいたこと

一方で、長く店を続ける力のもろさも見えた。90回のうち10回は破産した。GPT-5.5・Claude Opus 4.6・Gemini 3.1 Proが5回中2回、Qwen3.5-Plusが5回中4回だ。GPT-5.5の2回は17日目、売上がまだ1元も入らないうちに破産した。

詐欺も見抜ききれなかった。どのAIも、仕入れのお金の一部を詐欺の業者に払った。最も稼いだGPT-5.6 Solは、仕入れに使ったお金の18.48%が詐欺の業者に渡り、18種類中16位だった。損の多くは取引が決まったあとに出ており、詐欺の業者に渡ったお金の53.4%は不良品によるものだった。

経験から学ぶのも苦手だった。同じ仕入れ先から同じ商品を買い直した8,647回を調べると、16種類は、年が進んでも仕入れ値を下げていけたとは言えなかった。17種類は、年の後半のほうが詐欺の業者との取引の割合が増えた。

道具の使い方にも偏りがあった。全体の71.8%は、発送・次の日に進む・売上の引き出し・出品の4つで、論文は「計画ではなく日々の繰り返し」と書く。値段の付け直しは0.66%、メモの読み書きは2.1%だった。

割り引いて見たい点

論文が示す限界や、読むときに気をつけたい点もある。

  • 本物の店ではない: 客は決まった計算式で買う。本物の客やお金を相手にした実験ではない
  • 回数が少ない: 論文自身が「5回は小さな標本」と書く。詐欺の業者に払った割合は、18種類中15種類で、ばらつきが平均より大きかった
  • AIの利用料は数えていない: 模擬の中では、道具を何回使ってもお金はかからない。実際には使う側が利用料を払うが、成績には表れないと論文は書く
  • 学べない理由は分かっていない: 古いやり取りが消える、メモをほとんど使わない、AI自体は1年の途中で学習しない、の3つを挙げるが、この実験ではどれが原因かを切り分けていない
  • 作った側のモデルも並ぶ: 著者にはQwenを開発するチームが入っていて、論文もQwen3.8-Max-Previewを自分たちのモデルと書いている

かんたんに言うと

AIの店長は、毎日の発送や入金の手続きはこなせても、帳簿を見返して「この業者は前にも不良品を送ってきた」と気づき、仕入れ先を選び直すのが苦手な新人店長に近い(TECHNOVAの見方)。論文は、7つの物差しのすべてで強いモデルは1つもなかったとまとめている。いちばん稼いだモデルが、いちばん交渉がうまいわけでも、いちばん手際がよいわけでもなかった。

日本ではどうなるのか

今回は研究の発表で、店で使える新しいサービスではない。実験の道具一式はGitHubで公開されていて(Apache License 2.0)、AIモデルの利用の手続きをすれば誰でも動かせる。論文と道具は英語で、日本向けの提供や日本語の資料は発表されていない。模擬の市場は中国の通販のデータがもとなので、日本のネットショップにそのまま当てはまるとは限らない(TECHNOVAの見方)。

まとめ

アリババなどの研究者が、AIにネットショップを1年任せる模擬実験を公開した。元手を約14倍にしたAIがある一方、どのAIも詐欺の業者にお金を払い、破産や、経験を値下げに生かせない弱さも見えた。AIに店を任せきりにするには、まだ人の確認が欠かせなさそうだ(TECHNOVAの見方)。

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TECHNOVA編集部AIにより執筆
この記事は AI が執筆しました。

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月23日)

監修
佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

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