NASA、SpaceX第35次補給船が出発 人工網膜の実験装置を宇宙へ
NASA向けのSpaceX第35次商業補給ミッションが打ち上げられた。Dragonは国際宇宙ステーションへ6,300ポンド超の貨物を運ぶ。電力増強用の太陽電池や、人工網膜・脳の病気を研究する装置や材料を搭載する。
サイエンス- ●NASA向けのSpaceX第35次補給ミッションが打ち上げ
- ●Dragonが6,300ポンド超の実験機材や貨物を運ぶ
- ●人工網膜の製造装置や脳の病気を研究する材料を搭載
目や脳の病気の研究に関心がある人にとって、宇宙で何を調べるのかが分かる補給ミッションだ。
NASAによると、人工網膜の実験は地上の患者の視力回復に役立つ可能性がある。
NASAは、NASA向けのSpaceX第35次商業補給ミッションが打ち上げられたと発表した。打ち上げは2026年10月13日午前6時33分(米東部夏時間)で、補給船Dragonが実験機材や貨物を宇宙へ運ぶ。
何が宇宙へ運ばれるのか
DragonはSpaceXのFalcon 9ロケットで打ち上げられた。発射場所はフロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地の第40発射施設だ。打ち上げ約9分後には、ロケットの第2段から分離した。
行き先は国際宇宙ステーション(ISS)だ。搭載する実験機材や貨物は6,300ポンド超に上る。今回の補給は、宇宙での研究と、ISSを動かすための設備の両方を支える。
貨物には、ISSの電力増強を完成させる最後の一対の展開式太陽電池アレイが含まれる。アレイとは、太陽電池を並べた発電設備のことだ。NASAによると、研究・運用・安全な軌道離脱に使える電力を増やす。
かんたんに言うと、宇宙の研究室への配達
今回のDragonは、研究室へ実験道具と設備を届ける配送便にたとえられる。ただ荷物を届けるだけでなく、宇宙特有の環境で調べるための装置や材料を運んでいる。
その一つが、微小重力下で人工網膜を製造するための装置だ。微小重力とは、重力の影響が非常に小さい状態を指す。網膜は目の中で光を受け取る部分で、それを人工的に作る実験に使う。
また、3D心臓組織モデルも搭載する。心臓の組織を立体的に再現した、いわば実験用の模型だ。将来の宇宙ミッションで大規模な薬剤試験を進めるために運ぶ。
脳オルガノイドも貨物に含まれる。脳の組織の特徴を再現した小さな立体構造で、病気を調べるための模型と考えると分かりやすい。アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症の研究向けだ。このほか、微小重力下で新種のガラスが形成される仕組みを調べる材料も運ぶ。
日本ではどう関わるのか
日本との関わりは発表には書かれていない。今回の資料には、日本の機関や研究者の関与を示す情報はない。
まとめ
今回の補給は、ISSの電力設備と、医療・材料分野の実験を支えるものだ。NASAによると、人工網膜の実験は地上の患者の視力回復に役立つ可能性がある。脳オルガノイドの実験も、神経変性疾患の治療標的発見につながり得るとしている。いずれも研究段階の可能性であり、治療の実現を発表したものではない。
Dragonは2026年10月15日にISSへ自動接続する予定だ。太陽電池アレイは今秋後半に予定する複数回の船外活動で設置する。Dragonは11月中旬まで滞在し、帰還時には研究試料や貨物を運び、カリフォルニア沖に着水する予定だ。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月13日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。