iPhone Duoの画面割れ、分解したiFixitはヒンジの中央の支えを疑う Appleはヒンジの点検手順を公開
発売されたばかりのiPhone Duoで、内側の画面が折り目に沿って割れたという報告が出ている。分解した修理の専門家iFixitは、ケーブルではなく、ヒンジの中央の支えの近くに力が集まる可能性を示した。Appleはヒンジの点検手順を公開し、直らなければ内側の画面の部品を交換するとしている。
ガジェット- ●開け閉めのときに音がして、折り目に沿った線と、画面を横切る明るい線が出たという報告が出ている
- ●iFixitは3Dの模型で、壊れた位置がヒンジの中央の支えの近くに集まると示した。原因と確かめたわけではない
- ●Appleの点検手順では、ヒンジの問題はソフトでは直らない。直らなければ内側の画面の部品を交換する
閉じる前に画面の上の物を取り除き、ヒンジに砂を入れない。Appleが案内している扱い方だ。保証の対象にならない内側の画面の修理は18万2,800円かかる。異常に気づいたら、自分で直そうとせずAppleに相談したい。
iFixitの修理のしやすさの点数は、交換部品が手に入るまでの仮の5点(10点満点)だ。画面割れの原因と、どれだけの台数で起きているかは、Appleがまだ発表していない。
折りたためるスマホの画面が壊れたとき、まず疑われるのは、左右の本体をつなぐ細いケーブルだ。修理の専門家として知られる米国のiFixitは、10月25日(米国時間)に公開したiPhone Duoの分解の記事で、別の場所を指し示した。内側の画面を下から支える、ヒンジの真ん中の部品の近くだ。
報告されている壊れ方
iPhone Duoは10月23日、日本を含む国と地域で発売された。iFixitによると、持ち主からは、開け閉めのときに音がして、折り目に沿って小さな線が伸び、画面を横切る明るい線も出たという報告が出ている。買ってから6時間以内に起きた人や、初期設定を終える前に起きた人もいたという。
テクノエッジは、米国、オーストラリア、中国など複数の国の利用者から報告があり、Apple Storeでその場で新品に交換された例もあると伝えた。iFixitも、Appleは今のところ本体の交換で対応しているとしている。Appleは、画面割れの原因も、どれだけの台数で起きているかも発表していない。
iFixitは、傷んだ所は見た目ほど大きくないかもしれないとみる。目で見て画面やヒンジに異常が分からない人もいる。極めて細い電気の接続が1か所傷むだけで、画面の縦1列や横1行の画素がまとめておかしくなることがあるからだ。
3Dの模型に、壊れた位置を重ねた
iFixitは、分解の映像、Appleの特許、CTスキャン(X線で中を輪切りに撮る方法)をもとにヒンジの3Dの模型を作り、報告された壊れた位置と重ねた。壊れた所は、ケーブルが左右をまたぐためのすき間から、ヒンジの中央の支えに切り替わるあたりに集まっていた。ケーブルの真上ではなく、少し下だ。いくつもの部品の縁が集まり、曲がる画面の支え方が変わる場所だという。
閉じる動きを模擬すると、中央の支えの棒が十分に下がらなかった場合に、丸く曲がった画面がその上に降り、壊れた位置の近くに小さな力の集中ができた。iFixitはこれを「考えられる答えの1つ」としている。原因を確かめたわけではない。
ヒンジは歯車とばねで曲げ方を決める
iFixitによると、ヒンジの中には歯車、ばね、金属の関節が連なっている。関節は腕時計の金属のバンドのように、1つずつが決まった角度だけ回る。画面が伸びたり縮んだりしすぎないように曲げるための作りだ。閉じたときも、画面はヒンジの中でゆるい曲線を描いている。歯車は関節を一緒に動かし、ばねは画面を曲げる力の一部を受け持って、手を離した角度で止まるのを助ける。
ほこりへの強さも試した。蛍光の粉を入れた袋の中で本体を開け閉めし、分解して粉の行き先を追った。粉の多くは電子部品のまわりの接着の壁で止まったが、一部はヒンジの動く部品まで届き、ヒンジがじゃりじゃりと鳴るようになった。iFixitは、防水・防塵のIP等級の試験は、折りたたみスマホのヒンジの仕組みまでは対象にしていないようだと説明している。砂ぼこりでiPhone Duoが閉じなくなった耐久テストの動画は、JerryRigEverythingの記事で取り上げた。
分解で分かったほかのこと
| 部分 | iFixitの見立て |
|---|---|
| 内側の画面の表面 | 細かな丸い粒が並ぶナノテクスチャの層が、映り込みを散らして折り目を目立たなくする。この層を外すと、折り目はGalaxy Z Fold8より目立つとも言えるほど |
| 画素の形 | 一部が楕円で、向きがそろっていない。反射の模様を目立たせないAppleの特許の工夫とみる |
| バッテリー | 2つとも、電気を流すとはがれる接着剤で留めてある。7.5Whと11.6Whで合計19.1Wh |
| 外側の画面 | 壊さずに外せた |
| 修理のしやすさ | 10点満点で仮の5点。iFixitが折りたたみスマホに付けた点では最も高い |
それでも、内側の画面の交換は手間のかかる作業になるとiFixitはみる。修理のしやすさを第一に考える人には、ふつうのスマホを勧めるとしている。
Appleが公開した、ヒンジの点検の手順
Appleは10月23日、サポートのページに「iPhone Duo Troubleshooting Hinge Issues」(ヒンジの問題の解決)を公開した。日本のサイトにも英語のまま載っている。対象の症状は次の5つだ。
- 完全に開かない、または閉じない
- 開け閉めのときに思わぬ音がする
- ヒンジが緩い
- ヒンジが曲がった、または壊れた
- 本体の損傷でヒンジの動きに支障がある
手順では、他社のケースや保護フィルムを外し、ヒンジのまわりの粒やほこり、本体のへこみや傷を確かめる。ヒンジの問題には診断の機能もソフトでの直し方もないので、再起動やアップデート、復元はしなくてよいと書いてある。それでも直らないときに交換するのは、内側の画面の部品だ。
Appleの日本の修理の見積もりでは、保証の対象にならない内側の画面の損傷は18万2,800円だ。AppleCare+に入っている場合の料金は、iPhone Duoの修理代の記事にまとめている。
純正のケースを付けたら、外側の画面の設定も
Appleは10月22日、純正の「iPhone Duo Case」の付け方も公開した。このケースは、本体に貼り付けて使う。背面のカバーを貼ると、内側の画面に、外側の画面をケースに合わせて調整するよう促す表示が出る。あとからでも、設定の「画面表示と明るさ」で「Shift Left Edge」(左の縁をずらす)をオンにすれば、外側の画面の表示が、ケースの前の部分をよける位置に動く。
持っている人が、いまできること
Appleの「iPhoneの取り扱いに関する重要な情報」には、iPhone Duoのための注意がある。閉じる前に、内側の画面の上にある物をすべて取り除く。鍵や硬貨のような硬い物をはさんで折りたたむと、内側の画面が壊れるおそれがある。ヒンジに砂や小石を入れず、開く前にヒンジがきれいか確かめる。内側の画面の表面のカバーは、外そうとしないよう求めている。
Apple Storeで買った製品は、Appleから受け取って14日以内なら、領収書があれば返品か交換ができる。付属品と箱がすべてそろった元の状態であることが条件だ。通信会社や家電量販店で買った場合は、その店の決まりを確かめたい。
- iFixit「iPhone Duo Teardown: The Most Repairable Foldable Has a Huge Screen Problem」(2026年10月25日)
- Apple サポート「iPhone Duo Troubleshooting Hinge Issues」(2026年10月23日)
- Apple サポート「How to set up iPhone Duo Case」(2026年10月22日)
- Apple「iPhoneユーザガイド: iPhoneの取り扱いに関する重要な情報」
- Apple サポート「iPhoneの修理サービス」(修理サービスの見積額)
- Apple Store「販売条件(返品と返金)」
- テクノエッジ「クラックゲート?iPhone Duo、発売当日からヒンジ部の画面割れ報告相次ぐ」(2026年10月26日)
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月26日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。