ALMA、小さな惑星形成の円盤に輪や隙間を発見、構造の成因は追加観測へ
ALMA Observatoryは、若い星を囲む小さな円盤で輪や隙間、空洞を発見した。惑星の成長に関わる構造とみられるが、惑星そのものを捉えたわけではない。観測の成果と、まだ分からない点を整理する。
サイエンス- ●ALMAが若い星を囲む小さな円盤に輪や隙間、空洞を発見
- ●11個中4個で明確な構造を検出、別の3個にも兆候
- ●惑星そのものの直接検出ではなく、成因には追加観測が必要
惑星がどのように生まれるかに関心がある人に、小さな円盤の内側を知る手がかりとなる研究だ。
今後は異なる波長でちりとガスを調べ、小さな円盤の構造がどれほど一般的か、何が生むのかを検証する。
ALMA Observatoryは2026年10月14日、若い星を囲む小さな円盤に輪や隙間、空洞を発見したと発表した。惑星が育つ環境を調べる成果だが、惑星そのものを直接見つけたわけではない。
小さな円盤の内側に何が見えたのか
研究チームがALMA(アルマ望遠鏡)で観測したのは、おおかみ座の星形成領域にある極めて小さな原始惑星系円盤11個だ。原始惑星系円盤とは、若い星を囲むガスやちりの円盤で、惑星が形成される場を指す。
今回はアンテナを最も広く配置して観測した。ALMAによると、約2天文単位の大きさの構造を見分けられた。1天文単位は、地球と太陽の平均距離を表す。
研究チームは11個中4個で、中心の星から10天文単位以内に明確な構造を検出した。別の3個にも同様の構造がある兆候を見つけた。
Sz 112では、星から1.6天文単位まで広がる中心空洞を確認した。研究チームによると、既知で最小の遷移円盤に当たる。遷移円盤とは、内側に空洞がある惑星形成中の円盤のことだ。
かんたんに言うと、材料の集まり方を見る研究
円盤を惑星の「材料置き場」にたとえると、今回は材料が一様に並ぶのではなく、輪や隙間がある様子を捉えたことになる。
研究チームによると、輪や隙間は、ちりを集めるガス圧の変化を示す場合がある。ガス圧は、ガスが周囲を押す力のことだ。その働きでちりがとどまると、星への移動が抑えられ、惑星の成長を助け得るという。
ただし、輪や隙間が見えたことと、惑星が見つかったことは別だ。研究チームは、一部の隙間を形成途中の若い惑星が作った可能性を挙げる一方、惑星以外の原因も排除できないとしている。
また、小さな円盤が滑らかに見えていた一因は、観測の細かさの不足だったとみている。「模様がない」のではなく、「細かく見分けられなかった」という説明だ。
日本ではどのように関わっているのか
日本の自然科学研究機構がALMAに参加している。国立天文台は、東アジアの建設・運用を担う。今回の成果は、日本も参加する観測施設によって得られたものだ。
まとめ
今回見つかったのは、小さな円盤の中にある輪や隙間、空洞だ。惑星の存在や、構造ができた原因まで確定したわけではない。
今後は異なる波長でちりとガスを調べる。小さな円盤にこうした構造がどれほど広く存在し、何によって生まれるのかを検証する予定だ。追加観測が、惑星の育つ環境を理解する手がかりになる可能性がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月14日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。