研究チーム、色で糖濃度を調べる微細な針付きパッチを開発、電子機器は不要
研究チームが、糖濃度に応じて紫から黄色に変わる微細な針付きパッチを開発した。低コストで電子機器を使わないとしている。生体外の実験などで検証した研究段階で、強度や物質の拡散には改善が必要だ。
サイエンス- ●研究チームが色の変化で糖濃度を調べる針付きパッチを開発
- ●研究チームによると低コストで電子機器を使わない
- ●生体外の実験などで検証し、強度や物質の拡散に課題
日々の血糖測定の費用が気になる人に関係する研究だが、今回の検証は生体外の実験などによるものだ。
強度や物質の拡散の改善が進めば、色で糖濃度を調べる方式の実用化に向けた検証につながる可能性がある。
研究チームが、色の変化で糖濃度を調べる微細な針付きパッチを開発した。成果は研究論文の原稿であるプレプリントとしてbioRxivで公開されたが、発表日は資料に記載されていない。
何が発表されたのか
開発したのは、皮膚に入る微細な針と、糖に反応して色が変わるゲルを使ったパッチだ。研究チームによると、低コストで電子機器を使わない点が特徴となる。
持続血糖測定器(CGM)は、糖濃度をリアルタイムで継続的に測る機器を指す。研究チームは、既存のCGMの普及を妨げる課題として、高い費用を挙げている。今回の研究は、色の変化を測定に利用する別の仕組みを示したものだ。
ただし、性能の検証に用いたのは、生体外の実験とコンピューターによる計算モデルだ。日常で使う製品の発表ではなく、測定の仕組みを検証した研究として見る必要がある。
かんたんに言うと
酸性の強さを色で知らせる試験紙のように、糖濃度の違いをゲルの色に置き換える仕組みだ。
研究チームによると、パッチの針が皮膚に入り、間質液(細胞の間にある液体)を吸収する。その中の糖がゲル内の酵素と反応して、酸を生じる。酵素とは、化学反応を助ける物質だ。
糖濃度が上がると、酸性・アルカリ性の度合いを示すpHが下がる。その結果、ゲルは紫から黄色に変わるという。血液を直接調べるのではなく、間質液に含まれる糖を反応させる点がポイントだ。
研究チームによると、ゲルは糖濃度63~180 mg/dLで色が変化した。色の変化には、元に戻る性質も見られたという。
また、写真を解析して糖濃度を推定する手法も開発した。推定の誤差の大きさを示す指標RMSEは、8.59 mg/dLだったとしている。この数値も、今回の検証条件で得られた研究結果だ。
日本では
日本との関わりは発表には書かれていない。日本での提供についても、資料には記載がない。
まとめ
今回示されたのは、糖への反応を色として読み取る、電子機器を使わないパッチの研究だ。一方、研究チームは、パッチの機械的な強度や物質の拡散には、なお改善が必要としている。
こうした課題の改善が進めば、実用化に向けた検証につながる可能性がある。低コストという特徴と、日常の測定に使えるかどうかは、分けて捉える必要がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月14日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。