NASA、SR-1 Freedomの原子力電源開発が進展、宇宙で推進実証へ
NASAはSR-1 Freedomの原子力電源開発の進展を発表した。原子炉の熱を電力に変え、深宇宙での推進実証を目指す計画だ。打ち上げは2028年後半を予定し、原子炉は地球周回軌道を離れるまで作動させない。
サイエンス- ●NASAがSR-1 Freedomの原子力電源開発の進展を発表
- ●原子炉の熱を電気に変え、深宇宙での推進実証を目指す
- ●打ち上げは2028年後半を予定、火星ヘリコプター3機も運ぶ
火星探査に関心がある人には、探査機を動かす電源と、現地で調べる機体の両方に関わるニュースだ。
今回の原子力電源開発が、太陽光だけでは電力が足りない月面基地の電源づくりにもつながる可能性がある。
NASAは2026年10月20日(米国時間)、SR-1 Freedomの原子力電源開発の進展を発表した。機体開発を加速するため、協力先と契約上の措置に合意した。
何が進んだのか
SR-1 Freedomは、深宇宙で原子力電気推進を実証する計画だ。原子力で得た電気を、宇宙機を進めるために使う。NASAによると、地球周回軌道外を航行する人類初の核分裂動力宇宙機となる。
今回の発表の中心は、その電気を生み出す装置の開発だ。Sierra Lobo Inc.が、原子力電源の電力変換システムを供給する。これは、核分裂炉の熱を推進実証に必要な電力に変える装置である。
核分裂炉の設計・開発は、米エネルギー省のアイダホ国立研究所が担う。原子炉と、熱を電気に変える装置は、別々の役割を持つ。
かんたんに言うと、熱から電気へのリレー
仕組みは、熱をバトンにしたリレーにたとえるとわかりやすい。原子炉が熱を生み、電力変換システムがその熱を受け取って電気に変える。その電気を、宇宙機の推進実証に使うという流れだ。
単に原子炉を用意するだけでなく、必要な電力を取り出す装置も重要になる。今回進展が発表されたのは、この電源づくりである。宇宙での推進実証が完了したという発表ではない。
安全面では、NASAと米エネルギー省が機関間の安全審査を実施する。継続的な安全監督も行う。原子炉は、宇宙機が地球周回軌道を離れるまで作動させないとしている。
日本では
日本との関わりは発表には書かれていない。今回の発表は、宇宙機の電源開発と実証計画に関するものである。
まとめ
今後は電力変換システムと核分裂炉を組み合わせ、原子力電源を完成させる計画だ。SR-1 Freedomの打ち上げは2028年後半を予定している。
火星ヘリコプター3機の科学ミッションSkyFallも運ぶ予定だ。ヘリコプターはIngenuityの設計を発展させたもの。科学データの収集や、水源候補の特定などを目指す。
NASAは、太陽光だけでは電力が足りない月面基地向け核分裂システムにもつなげる方針だ。今回の開発は、宇宙機を進める技術だけでなく、月面で使う電源の開発にもつながる可能性がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。