名古屋大学、他者の評価を気にしない人物が尊敬される傾向を調査で示す
名古屋大学は、他者の評価を気にしない人物の方が、有能で尊敬に値すると評価された研究を発表した。一方、金銭の損失では気にする人物の方が高く評価された。日本で募集した成人を対象に、人物への印象を比較した。
サイエンス- ●名古屋大学が、他者評価への態度と尊敬の関係を研究した
- ●うわさを気にせず説明しない人物の方が高く評価された
- ●金銭の損失では、気にする人物の方が高く評価された
職場などで周囲からどう見られるか気になる人にとって、評価への態度自体が印象に関わるという研究だ。
他者の評価への態度が、能力や尊敬の判断にどう結びつくかを考える手がかりになる可能性がある。
名古屋大学は、孟憲巍准教授らによる、他者評価への態度と尊敬の関係を調べた研究を発表した。研究成果は2026年10月11日付で、国際査読誌『The Journal of Social Psychology』に掲載された。
何が発表されたのか
研究では、日本で募集した成人を対象に、人物への印象を調べた。設定したのは、事実無根のうわさが同僚の間で広まる場面だ。
比較したのは、評価を気にして説明する人物と、気にせず説明しない人物である。名古屋大学によると、後者の方が尊敬に値すると評価された。有能だという評価も、後者の方が高かったとしている。
ここで調べたのは、周囲がその人物をどう見るかという印象だ。実際の仕事の成果や能力を比べた結果として読むのではなく、態度と人物評価の関係を示した研究として捉える必要がある。
かんたんに言うと
人の能力を判断するとき、何を成し遂げたかだけでなく、他人の目への向き合い方も手がかりになる、という話だ。
たとえるなら、評価への態度が、その人の能力を想像するための「名札」のように働くということだ。名札は本人のすべてを表さない。それでも、見る側が人物像を考えるきっかけになる。
名古屋大学は、評価への態度そのものが、能力を推し量る手がかりになると説明している。また、尊敬の評価には、有能に見えることが関わる可能性があるとしている。
「評価を気にしない人は実際に有能だ」という結論とは異なる。今回の結果は、評価を気にしない人物が、調査で有能だと見られたというものだ。
お金の損失では評価が逆になった
別の調査では、お金をなくした場面での人物への印象を比較した。名古屋大学によると、金銭の損失を気にする人物の方が、有能だと評価された。尊敬に値するという評価も、気にする人物の方が高かったとしている。
他者からの評価と金銭の損失では、結果の方向が異なる。何に対しても気にしない態度が高く評価されたわけではない。今回の調査では、気にする対象によって人物への印象が違っていた点が重要だ。
まとめ
他者の評価を気にしない人物は高く評価され、金銭の損失では気にする人物が高く評価された。結果は、単に「気にしない方がよい」という助言には置き換えられない。
この研究は、評価への態度が能力や尊敬の判断にどう結びつくかを考える手がかりになる可能性がある。日常に当てはめる際も、何を気にする場面なのかを分けて考える必要がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月14日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。