任天堂の宮本茂氏、文化勲章の会見でAIを語る 「作る」と「作業」は別 ゲーム界で初の受章と報道
任天堂の宮本茂氏が文化勲章を受章すると、電撃オンラインなどが10月23日に報じた。ゲーム業界からは初めてだという。受章に伴う会見で宮本氏は、ものを「作る」ことと、そのための「作業」を分けて考えると話し、AIが作業を担うほど何を作るかを考える機会になり、人の役割は残ると語った。
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AI- ●任天堂の宮本茂氏が文化勲章を受章すると報じられた。ゲーム業界からは初めて
- ●会見で、ものを「作る」ことと、そのための「作業」を分けて考えていると話した
- ●AIが作業を担うほど、何を作るかを考える機会になり、人の役割は残ると語った
AIで絵や文章、ゲームまで手軽に作れるようになった今、作り手に何が残るのかを考える人に関わる話だ。
政府の文化勲章の受章者の一覧は、10月24日の時点で文部科学省と内閣府のサイトに載っていない。任天堂は、ゲームの開発で生成AIを使っているかどうかを公表していない。
任天堂の代表取締役フェロー、宮本茂氏が文化勲章を受章すると、電撃オンラインなどが2026年10月23日に伝えた。ゲーム業界からの文化勲章の受章は初めてだという。宮本氏は「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」などのシリーズを生んだ。受章に伴う記者会見で、生成AIの時代の「作る」ことについても語った。
文化勲章とは
電撃オンラインによると、文化勲章は、学術や芸術など、文化の発展に特に大きな功績があった人に贈られる勲章で、1937年にできた。原則として、前年度までに文化功労者に選ばれた人の中から選ぶ。文部科学大臣の推薦と内閣府賞勲局の審査を経て、閣議で決まる。
会見で語ったAIの話
電撃オンラインによると、会見では、AIで制作のハードルが下がる中で、クリエイターの役割をどう考えるかという質問が出た。宮本氏は、これまでも道具の進化で、デザインや制作の作業が変わってきたことにふれた。そのうえで、AIが作業を担えるようになるほど、何を作ろうとするのか、作るとはどういうことかを考える機会になるとの見方を示した。道具が進化しても、人が構想し、デザインする役割は残るとしている。
英国のゲームメディアVideo Games Chronicle(VGC)は、宮本氏の発言を英語に訳して伝えた。要点は次のとおりだ(VGCの英訳をもとにした要約)。
- 自分たちの世代は、タイプライターからワープロへと道具が変わる、コンピューターの急な進歩の時代を生きた。昔は、ポスターのきれいな文字を書ければデザイナーと呼ばれた。コンピューターが進むと、レイアウトの感覚のような、デザイナー本人の力が表に出てきた。生成AIも同じような変化だと思う
- 「作る」ことと、そのための「作業」を分けて考えている。まず大きな形を決め、そのあとで足りない所を埋めたり、細かい所を磨いたりする作業に入る
- やっかいなのは、作業そのものが楽しいことだ。作業の満足感だけで、良いものができたと思い込む危険がある。AIが作業を代わるほど、何が大切かを考え直す機会になる。それは良いことだと思う
- コピーして貼り付けただけのデザインは、長く残らない。作り手の意図があってこそで、コンピューターは作業を手伝う道具だ。技術が進み、いずれAIが何でもできるようになっても、人の役割は残る
任天堂とAI
VGCによると、任天堂は、ゲームの開発に生成AIを使っているかどうかを公表していない。古川俊太郎社長は、生成AIの創作の可能性を認める一方で、知的財産の問題に注意を促してきたという。
ほかに語ったこと
電撃オンラインによると、宮本氏は、ゲームで遊んで育った世代が親になり、今では親子三代がゲームを知るようになったと話した。映画やテーマパークについては、ゲームを知らなくてもキャラクターを好きになって任天堂のファンになってもらえると考え、映画づくりを始めたと説明した。今は映画づくりに夢中だという。
創作の喜びは、自分が作ったもので人が遊んでいる姿を見ることだと話した。若い作り手には、今あるゲームで面白いと感じたことをそのまま作るのではなく、こんなことをしたら面白いのではないかと、自分で考えるよう促した。
かんたんに言うと
料理にたとえると、どんな料理を出すかを決めるのが「作る」、野菜を切ったり盛り付けたりするのが「作業」にあたる。AIが下ごしらえを代わってくれるほど、どんな料理を出したいのかが問われる、という話だ。
まとめ
ゲーム業界で初めて文化勲章を受章すると報じられた宮本茂氏は、会見で、AIが作業を担うほど「作るとは何か」を考える機会になり、人の役割は残ると語った。政府の正式な受章者の一覧は、まだ確かめられていない。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月24日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。