電話もSMSもできない「スマホのような端末」Ledger Atom 暗号資産のLedgerが発表、849ドルで予約 日本の通信網には完全には対応せず
暗号資産を守る機器で知られる仏Ledgerは、Androidのアプリが動く新しい端末「Ledger Atom」を発表した。見た目はスマートフォンだが、携帯電話の回線での通話やSMS、緊急通報ができない「データ通信専用」の端末だ。お金の送金やAIへの許可など大事な操作は、専用の安全なチップが画面ごと受け持つ。予約価格は849ドルで、出荷は2027年夏の予定。
ガジェット- ●Ledger Atomは、5Gなどのデータ通信だけの端末。携帯回線での通話、SMS、緊急通報はできない
- ●送金やAIへの許可など大事な操作は、専用の安全なチップが画面ごと受け持つ。カメラとマイクを物理的に切るスイッチもある
- ●予約価格は849ドル(100ドルの予約金)。出荷は2027年夏。Ledgerは、日本のすべての通信網には完全には対応しないとしている
暗号資産を持つ人や、AIにお金を動かさせる使い方を考えている人には、気になる端末だ。ただ、電話も緊急通報もできないので、今のスマホの代わりにはならない。日本では使える回線が限られるおそれがあるので、予約する前に対応する電波を確かめたい。
出荷は2027年夏の予定だ。どの普段のアプリが使えるかは、認証や使用許諾しだいで、出荷前に決まるという。日本で使えるモデルや、日本の回線での動きも、今後の情報を待ちたい。
暗号資産(仮想通貨)を守る機器「ハードウェアウォレット」で知られる仏Ledgerは2026年10月15日、パリで開いたイベントで、Androidのアプリが動く新しい端末「Ledger Atom」を発表した。見た目はスマートフォンだが、Ledgerは「スマートフォンではない」と説明している。
「電話できない」端末
Ledger Atomは、5Gや4Gにつながるが、データ通信だけに使う端末だ。Ledgerの製品ページによると、次のことができない。
- 携帯電話の回線を使った音声通話(VoLTEなど)
- SMS
- 緊急通報。Ledgerは112や911を例に挙げていて、日本なら110番や119番にあたる。SIMやeSIMを入れていて、電波が届く場所でもできない
一方で、データ通信を使うアプリでの音声通話やビデオ通話はできる。LINEのようなアプリの通話は使えるが、電話番号での通話はできない、というイメージだ。
大事な操作は「金庫」の中で
この端末の特徴は、ふだん使うAndroidとは別に、専用の安全なチップの上で動く「Ledger OS」を持っていることだ。
- Secure Mode: 暗号資産の送金を承認したり、AIエージェントに許可を出したりするときは、Ledger OSが画面全体を受け持つ。安全なチップが画面を直接動かすので、「見えているものが、本当に署名するもの」になるという
- Privacy Switch: カメラとマイクを、回路の段階で物理的に切るスイッチがある
- AIの見張り役: AIエージェントが買い物や支払いを提案しても、本人がこの端末で承認しない限り、お金は動かない。Ledgerは「エージェントが提案し、人が承認し、機器が守らせる」と説明している
すまほん!!によると、安全なチップはCC EAL6+という高い水準の認証を受けたもので、送金などの操作の間は、カメラやマイク、センサーも止まる。
家にたとえると、ふだん暮らす部屋とは別に、鍵のかかった金庫室があり、お金を動かすときだけ金庫室に入るような作りだ(TECHNOVAの見方)。
おもな仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 画面 | 6.77インチの有機EL(すまほん!!より) |
| カメラ | 背面5,000万画素(4K・60fpsの動画) |
| 通信 | 5G(eSIMのみ・データ通信だけ)、Wi-Fi 6、Bluetooth、NFC、USB-C |
| 電池 | 4,000mAh |
| 大きさ・重さ | 78×164×9mm、250g |
| OS | 強化したAndroid(AOSP)と、切り離されたLedger OS |
| 修理用の部品 | 最後に売ってから7年間用意 |
| 予約価格 | 849ドル(Founders Edition・返金できる100ドルの予約金で予約) |
| 出荷 | 2027年夏の予定 |
暗号資産のアプリ「Ledger Wallet」が最初から入っていて、ケーブルや別の機器なしで、暗号資産の売り買いや交換ができる。普段のアプリも入れられるが、どのアプリが使えるかは、認証や使用許諾しだいで、出荷前に決まるという。
日本では
Ledgerの製品ページは日本語でも見られる。ただ、Ledgerは、今考えている電波の帯域では「日本のすべての通信網に完全には対応しない」ことが分かっているとしている。モデルごとに使う地域が決まっていて、地域の外では使えるかどうかが限られるという。予約する前に、使いたい通信会社の電波に対応しているかを確かめる必要がある。
かんたんに言うと
暗号資産のLedgerが、電話もSMSも緊急通報もできない「データ通信専用」の端末Ledger Atomを発表した。お金を動かすときやAIに許可を出すときだけ、専用の安全なチップが画面を受け持つ。予約価格は849ドルで、出荷は2027年夏の予定だ。
まとめ
Ledger Atomは、AIがお金を動かす時代に、最後の承認だけは人が手元の機器で行う、という考え方で作られた端末だ。電話や緊急通報ができないので、今のスマホの代わりにはならない。日本では使える回線が限られるおそれもあるので、興味がある人は、対応する電波と使えるアプリが決まるのを待ってから判断したい。