インドネシアの農園に大きな金属片、中国ロケット「ZhuQue-2E」の破片とみて調査
インドネシアのボルネオ島にあるアブラヤシ農園で10月19日、大きな金属片が見つかった。国の研究機関BRINは、中国のロケット「ZhuQue-2E」の破片とみている。死者や物の被害は無く、当局が調べている。
サイエンス- ●ボルネオ島の農園で10月19日、大きな金属片が見つかった
- ●国の研究機関は中国のロケットの破片とみるが、まだ確定していない
- ●死者や物の被害は無い。2つ目の破片も見つかり、当局が調べている
宇宙ごみは年々増えていて、燃え尽きずに地上に届くものもある。空から物が落ちてくる話は、日本に住む人にも無関係ではない。
BRINは、破片の形や材料、表示を調べて確かめる必要があるとしている。実物を調べた結果で、どのロケットのものかがはっきりしそうだ。
インドネシアの国家研究イノベーション庁(BRIN)は2026年10月20日、国内で見つかった金属片について発表した。中国のロケット「ZhuQue-2E」の破片とみられるという。見つかったのはボルネオ島の中カリマンタン州で、現地の当局が調べている。
何が起きたのか
BRINによると、10月18日の現地時間17時30分ごろ(日本時間19時30分ごろ)、住民が空から響くごう音を聞いた。翌19日の朝、東コタワリンギン県サンピットのアブラヤシ農園で、作業員が裂けた大きな金属片を見つけた。
AFPによると、見つけた作業員は、勤め先の農園会社の住宅地から約3キロの所に落ちていたと話した。「作業員はみな帰宅していて、農園には誰も残っていなかった」という。地元の警察署長は、大きさが最大9メートルほどのアルミの板で、焼けた跡があると説明した。民間航空の担当者は、死者や物の被害は無く、放射線や毒の危険も無いとしている。
20日の朝には、同じロケットのものとみられる2つ目の破片も見つかった。破片は近くの軍の基地で調べられているという。
どのロケットの破片とみられるのか
BRINの研究者トーマス・ジャマルディン氏は、軌道(宇宙で物が回る通り道)のデータから絞り込んだ。ZhuQue-2Eの使い終わった機体は18日、カリマンタンの上空を北から南へ通った。17時36分ごろにはサンピットの近くにあり、ごう音が聞こえた時刻と合うという。これが、大気圏に戻る前の最後の周回だった。
ZhuQue-2Eは、中国の民間の宇宙企業LandSpaceが開発した2段式のロケットだ。液体のメタンと液体の酸素を燃料に使う。BRINは中国の新華社の発表をもとに、10月14日に打ち上げられたと説明している。中国の東風の発射場から10基の衛星を載せて飛び、打ち上げは成功した。破片の元とみられる機体の番号は、NORAD番号101070、国際標識2026-234Lだ。
AFPによると、中国国家航天局にはすぐには連絡がつかなかった。
かんたんに言うと
宇宙ごみ(スペースデブリ)は、運用を終えた人工衛星や使い終わったロケットの上の段など、地球を回り続ける不要な人工物だ。JAXAによると、低い軌道の物はいずれ大気圏に入る。BRINのトーマス氏によると、猛スピードで空気とぶつかって強い熱が生まれ、多くは燃えたり溶けたり、砕けたりする。
JAXAも、人工衛星はほとんどが燃え尽きると説明している。ただ、燃えにくい材料の部品や、衛星がとても大きい場合などは、地上や海まで残骸が届くことがある。トーマス氏も、熱に強い部分が燃え尽きずに地表に届くことがあるとし、今回の金属片を説明する可能性の一つだと話している。
日本とのかかわり
JAXAは、岡山県にあるレーダーと光学望遠鏡で宇宙ごみを見張っている。宇宙ごみが大気圏に戻るときの予測の解析も行っている。JAXAは、宇宙ごみの数は年々増え続けているとしている。
まとめ
軌道の分析は、ZhuQue-2Eの破片だと考える強い手がかりになっている。ただBRINは、確かめるには破片の形や材料、表示をロケットの情報と照らし合わせる調べが要るとしている。今後の調査の結果が待たれる。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月23日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。