電動爪削りで皮膚や舌の巻き込み事故 使用中は高齢者、保管中は幼児 国民生活センター
刃が奥にある電動爪削りでも、皮膚や舌が巻き込まれる事故が起きている。使用中の事故は13件で約8割が70歳以上、しまってあった製品を子どもが触った事故は5件。刃は逆に回らず、無理に引き抜くと傷が広がるおそれがある。
ガジェット- ●使用中の巻き込み事故は13件。被害者の約8割が70歳以上
- ●家にあった製品を子どもが触り、舌や唇が巻き込まれた事故も5件
- ●調べた11製品は刃を逆に回せない。巻き込まれたら電源を切り、引き抜かない
電動爪削りが家にあるなら、まず置き場所から。子どもが開けられる引き出しや枕元は避け、使い終わったら電源を切ってしまう。
ロック機能や保護カバーがあるかどうかは、これから買う人が確かめておきたい点になりそうだ。
刃が奥に隠れているから安全だと思って、電動爪削りを使っていないだろうか。
国民生活センターと消費者庁は2026年10月29日、電動爪削りに皮膚や舌が巻き込まれる事故に注意を呼びかけた。消費者庁の事故情報データバンクには、2016年度以降、使用中の事故が13件ある。被害者は70歳以上が約8割。これとは別に、医療機関ネットワークには、家にしまってあった製品を子どもが触り、舌や唇、首の皮膚が巻き込まれた事故が5件届いた。5件のうち4件は2〜4歳の子どもだ。
家にあるのが「電動爪切り」や「電動爪やすり」という名前の製品でも、話は同じだ。手動の爪切りより力をかけずに手入れできるのが売りで、握力が落ちた人には心強いだろう。
すき間は細いのに、入ると抜けない
国民生活センターは、通販などで買える11製品を2026年9月に購入して調べた。爪先を当てる開口部は幅が約1〜2mm、長さが約15〜18mm。回転刃は本体の表面から約0.3〜0.5mm奥にあり、指先が刃に触れにくい形だ。
それでも、柔らかいものは入り込む。動いている製品の開口部に鶏肉を当てると、そのまま回転刃に巻き込まれた。しかも、11製品とも刃を逆向きに回す機能がなかった。電源を切っても外れずに医療機関で本体を取り外した例や、救急隊が製品を分解するのに1時間かかった例もある。
意外なのは、「削れない」という不満が事故の入り口になりうることだ。つけ爪を付けた手の模型で測ると、爪の先を約2mm短くするのに平均1分6秒、いちばん長いときで1分52秒かかった。爪の曲がりが大きいと、爪の両端や指先が先に本体に当たり、刃まで届かないこともある。消費生活センターにも、主に高齢者から「爪が削れなかった」という相談が届いている。つい力を入れたくなるが、強く押し付けると、爪が割れたり、まわりの皮膚が巻き込まれたりするおそれがある。
使い終わったら、子どもの目に入らない所へ
保管中の5件は、どれも家族がしまっていた製品を子どもが触るうちに、電源が入った事故だ。なめようとした例、電気シェーバーのまねをして首に当てた例、枕元に置いてあった製品で遊んだ例がある。東京都立小児総合医療センター救命救急科の岸部峻医師は、報告書へのコメントで「「爪を安全に削れる」ことと、「こどもが触っても安全」であることは同じではありません」と書く。
発表で挙がった注意は、次の6つだ。
- 手動の爪切りとは性能が異なることを理解する
- 取扱説明書を確認し、正しい方法で使用する
- 爪が削れなくても、爪や皮膚を強く押し付けない
- 爪以外の皮膚等を開口部へ近づけない
- 使用後は、こどもの手と目の届かない場所に保管する
- 巻き込まれた場合は、無理に引き抜かない
しまう前には電源を切り、ロック機能や保護カバーがあれば必ず使う。すぐ目につく引き出しや枕元は避けたい。岸部医師は、置き場所の例に鍵のかかる引き出しやクローゼットを挙げている。
万一巻き込まれたら、まず電源を切る。無理に引っ張ると、痛みや出血が強まり、傷が広がるおそれがある。安全に外せないとき、特に舌や唇、首の皮膚が巻き込まれたときは、すぐに医療機関などへ相談したい。
使っている最中の事故は高齢の人に多く、しまってある製品でけがをした子どもの多くは2〜4歳。孫が遊びに来る祖父母の家こそ、その両方がそろう場所なのかもしれない。洗面所の引き出しを一度開けて、置き場所を見直しておくと安心だ。
編集部が確認:。確認した監修者は、この下に載せています。
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。