EA、「マスエフェクト」のBioWareを閉鎖 開発の初期段階だった新作も中止、EA全体で約400人を減らすと報道
「マスエフェクト」「ドラゴンエイジ」で知られるゲーム開発会社BioWareが閉鎖される。親会社のEA(エレクトロニック・アーツ)は、開発の初期段階だったマスエフェクトの新作をやめ、カナダのエドモントンの拠点を閉じる。BioWareが2026年10月21日、自社のブログで発表した。報道によると、EAは全体で約400人を減らす。
IT- ●EAがBioWareを閉じ、開発の初期段階だった「マスエフェクト」の新作をやめる。BioWareが10月21日に自社のブログで発表した
- ●EAの幹部が社員に送った文書によると、大きな作品に人とお金を集める見直しの一環。報道では、EA全体で約400人(社員の約3%)を減らし、うち約50人がBioWareの社員
- ●BioWareは30年あまりで「スター・ウォーズ ナイツ・オブ・ジ・オールド・リパブリック」「ドラゴンエイジ」などを作ってきた、RPGの老舗だ
マスエフェクトの新作を待っていた人には残念な知らせになる。発売済みの作品の販売やオンラインの機能がどうなるかは、今回の発表には書かれていない。2026年10月22日の時点で、Steamでは「Mass Effect Legendary Edition」や「ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者」が、日本語の文字(字幕)で遊べる形で売られている。
EAは、2つのシリーズを別のチームで続けるのか、ほかの会社に売るのかを明らかにしていない。EAは、スポーツの新作2本を今後数か月で発表するとしている。会社の持ち主が変わったあとの見直しで、ほかの作品にも影響が出るかが気になるところだ(TECHNOVAの見方)。
米国のゲーム会社EA(エレクトロニック・アーツ)は、傘下のゲーム開発会社BioWare(バイオウェア)を閉じる。開発の初期段階だった「マスエフェクト」の新作もやめる。BioWareが2026年10月21日、自社のブログで発表した。
BioWareの発表
BioWareはブログに「BioWare Update」という短い文章を載せた。要旨は次のとおりだ。
- 30年以上、BioWareは単なる開発会社ではなく、物語を作る人や開発者、遊んでくれた人たちの居場所だった
- 30年あまりの冒険を経て、BioWareは閉じ、次のマスエフェクトの初期の開発も終える
- 今は、作品に心を注いできた仲間を支え合うことに力を注いでいる
EAは何を優先するのか
Varietyは、EAの幹部2人(スタジオ部門を率いるキャム・ウェバー氏と、最高執行責任者のデビッド・ティンソン氏)が社員に送った文書の全文を載せた。文書によると、EAはここ数か月、事業のやり方を見直してきた。大きな成長が見込める作品に、人と技術とお金を集めるという。
BioWareについては、少人数のチームがマスエフェクトの初期の開発をしていたと説明した。そのうえで「この開発を先に進めないと決めた。BioWareとエドモントンの拠点を閉じる」と書いた。BioWareについては「RPG(ロールプレイングゲーム)というジャンルの形を作った伝説的な開発会社だ。軽い気持ちで決めたことではない」としている。
文書が示した、ほかの分野の方針は次のとおりだ。
| 分野 | 今後の方針 |
|---|---|
| シューター(撃ち合うゲーム) | 「Battlefield 6」は大きな成功だったとし、次のBattlefieldも作る。RespawnとDICEの2つの開発会社が組み、新しい作品を作る。「Apex Legends」には新しい遊び方を加える |
| アクションアドベンチャー | 「Marvel's Iron Man」と、次の「Star Wars ジェダイ」を出す。そのあとは、同時に作る大作の数を減らす |
| スポーツ(EA SPORTS) | 新作2本を今後数か月で発表する。アメリカンフットボールの「Project Gridiron」と、ボクシングの「Fight Night」の復活に向けた準備 |
| ライフスタイル | 「ザ・シムズ」は「Project Evergreen」を優先し、「Project Lotus」の開発を止める。「skate.」はチームを小さくする |
Game Developerによると、RespawnとDICEが組む新作は、「スター・ウォーズ バトルフロント」シリーズの新作になる見込みだという。EAは作品名を明らかにしていない。
約400人を減らすと報道
Game Developerなどによると、米Bloombergは、EAが全体で約400人を減らすと伝えた。うち約50人は、マスエフェクトの新作を作っていたBioWareの社員だという。Varietyは、EAの社員は直近で14,500人と公表されており、約3%にあたると伝えている。
EAの文書は、影響を受ける社員には、EAのほかの部署で働く道を探す手助けをするとしている。
BioWareのこれまで
Game Developerによると、BioWareは1995年にカナダのエドモントンで生まれた。「バルダーズ・ゲート」「ネヴァーウィンター・ナイツ」「スター・ウォーズ ナイツ・オブ・ジ・オールド・リパブリック」など、評価の高いRPGを次々に出した。その後、「マスエフェクト」と「ドラゴンエイジ」の2つのシリーズを育てた。
ただ、ここ数年は苦しい時期が続いていた。
- Game Developerによると、2019年の「Anthem」は、長く遊ばれ続けるオンラインのゲームとして根付かず、サービスを終えた
- Notebookcheckによると、2024年の「ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者」はEAが見込んだ売り上げに届かず、BioWareは100人ほどまで小さくなった
- BioWareは2025年1月、ブログで、中心のチームがマスエフェクトの次の作品を作ると発表した。ほかの社員の多くは、EAのほかのチームに移った
- Notebookcheckによると、マスエフェクトの新作は2020年に予告されたが、作っていたのは50人ほどだった
会社の持ち主が変わった直後
Varietyによると、EAは2026年8月4日、サウジアラビアの政府系ファンドPIFと、投資会社のSilver Lake、Affinity Partnersによる買収を終えた。買収の総額は550億ドルだ。今回の見直しは、買収のあと初めての大きな動きだという。
Notebookcheckによると、EAは、BioWareやそのシリーズをほかの会社に売ろうとしたかどうかを明らかにしていない。
かんたんに言うと
長く続いた老舗のレストランが、店をたたむようなものだ。看板のメニューだった「マスエフェクト」と「ドラゴンエイジ」の名前はEAの手元に残る。ただ、だれがそれを作るのかは決まっていない。新しい持ち主のもとで、EAはお客の多い大きな店に人を集める道を選んだ(TECHNOVAの見方)。
日本ではどうなるのか
BioWareの作品は、日本でも遊ばれている。2026年10月22日の時点で、Steamでは「Mass Effect Legendary Edition」と「ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者」が売られており、どちらも日本語の文字(字幕)に対応している。
今回の発表には、発売済みの作品の販売や、オンラインの機能を続けるかどうかは書かれていない。日本向けの案内も今のところ出ていない。
まとめ
EAは、マスエフェクトの新作をやめ、BioWareを閉じる。30年あまり続いたRPGの老舗がなくなる。報道では、EA全体で約400人を減らす。EAは、大きな成長が見込める作品に人とお金を集めるとしている。マスエフェクトとドラゴンエイジの2つのシリーズがこの先どうなるかは、まだ分かっていない。
- BioWare「BioWare Update」(BioWare Blog・2026年10月21日)
- BioWare「BioWare Studio Update」(BioWare Blog・2025年1月29日)
- Variety「Electronic Arts Laying Off 3% of Employees in Studios Restructuring: BioWare Shutting Down, Respawn and DICE to Team on ‘Star Wars: Battlefront 3’」(2026年10月21日)
- Game Developer「EA closes Mass Effect, Dragon Age creator BioWare after 30 years of game development」(2026年10月21日)
- GamesRadar+「EA cancels new Mass Effect, closes BioWare after being bought by Saudi Arabia」(2026年10月21日)
- Notebookcheck「Next Mass Effect game cancelled as EA shuts down BioWare」(2026年10月21日)
- Steam「Mass Effect Legendary Edition」(2026年10月22日に確認)
- Steam「ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者」(2026年10月22日に確認)
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月22日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。