中国科学院、有機太陽電池の接合部分を安定化する技術を開発、大面積化でも成果
中国科学院が、有機太陽電池の分子層を固定する技術を開発した。小面積で電力変換効率20.4%を達成し、大面積化も検証。2,000時間の連続運転後も初期効率の85%超を維持したとしている。
サイエンス- ●中国科学院が有機太陽電池の接合部分を安定させる技術を開発
- ●小面積の電池で電力変換効率20.4%を達成したと発表
- ●2,000時間の連続運転後も初期効率の85%超を維持
柔軟な太陽電池に関心がある人にとって、発電効率と耐久性、大面積化を確かめた研究だ。
接合部分を安定させる技術が、有機太陽電池の大面積化と実用化を後押しする可能性がある。
中国科学院の研究チームが、有機太陽電池の接合部分を安定させる技術を開発した。研究成果は学術誌「Joule」に掲載されたが、発表日は資料に記載されていない。
発電効率と耐久性、大面積化を検証
有機太陽電池は、炭素を含む有機材料で太陽光を電気に変える電池だ。従来のシリコンに代わる材料を使う。中国科学院によると、柔軟性があり、低コスト製造や大面積化に適している。
一方、電極表面の分子層が光や熱で剥がれやすかった。この接合部分の不安定さが、大規模な商用化の課題だったという。
今回の技術を使い、小面積の電池で電力変換効率20.4%を達成したとしている。電力変換効率は、受けた光をどれだけ電気に変えられるかを示す値だ。
研究チームは、受光開口面積15.6平方センチメートルのモジュールにも技術を広げた。モジュールとは、太陽電池を発電用のまとまりにしたものだ。受光開口面積は、光を受け入れる開口部分の面積を指す。
研究チームによると、この大面積モジュールの発電部分の変換効率は18.8%だった。記録的な値と位置付けている。
かんたんに言うと、分子の層を固定する
新技術では、電極と電荷を運ぶ層の間に、真空中でInClxという材料の中間層を作る。電荷は電気のもとになるもので、それを運ぶ層とのつなぎ目に手を加えた形だ。
たとえるなら、剥がれやすい薄いシートを、むらなく留めるための下地を設けるような考え方である。中国科学院によると、中間層が分子同士の結合を促す。その結果、分子層を密で均一に固定できるとしている。
耐久性は25℃で、最大の電力を取り出せる動作点を追いながら評価した。2,000時間の連続運転後も、初期効率の85%超を維持したという。これは示された試験条件での結果であり、製品の寿命として示された数字ではない。
日本では
日本との関わりは発表には書かれていない。今回の資料は研究成果を伝えるもので、日本での製品化や提供についての情報はない。
まとめ
今回の研究は、発電効率だけでなく、接合部分の安定性と大面積化を合わせて検証した点が重要だ。中国科学院も、効率・安定性・大面積化の両立につながる技術と位置付けている。
分子層を固定する工夫が、有機太陽電池の実用化を後押しする可能性がある。ただし、今回示されたのは研究段階の成果であり、商用製品の発売を伝える発表ではない。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月22日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。