ネット不要のメッセージアプリ「Bitchat」、フランスで4位に 災害時に役立つのか
インターネットが無くても、Bluetoothで近くの人とやり取りできるアプリ「Bitchat」が、フランスのApp Storeの無料アプリで4位に入った。仕組みとできること・できないこと、日本での入手方法、災害時に役立つのかをまとめた。
IT- ●Bitchatは、ネット無しでも近くの人とやり取りできるアプリ
- ●Bluetoothで近くの端末を伝って届く。中継は最大7回まで
- ●日本のApp StoreとGoogle Playで無料。日本語にも対応
災害の備えに入れるなら、家族や仲間にも入れてもらう必要がある。近くに使う人がいないと届かず、届く距離の目安も公式には示されていない。
日本でも、災害や混雑で回線が使いにくい場面の手段として注目される可能性がある。ただ、どこまで役立つかは近くで使う人の数しだいだ。
ネット無しで近くの人とやり取りできるアプリ「Bitchat(ビットチャット)」が、フランスで順位を上げている。AppleのApp Storeのランキングでは、日本時間の10月23日未明、フランスの無料アプリで4位に入っていた。急に広まった理由は、公式の発表からは分からない。
どんなアプリなのか
公式サイトによると、BitchatはBluetoothのメッシュのネットワークで動くメッセージアプリだ。「インターネットも、サーバーも、電話番号もいらない」とうたう。アカウントの登録も要らない。
もとは、Twitter(今のX)の共同創業者として知られるジャック・ドーシー氏が作った。2025年7月に、Xで「週末のプロジェクト」として公開している。ソースコード(アプリの設計図)はGitHubで公開され、誰でも自由に使える。
かんたんに言うと
メッシュは「網の目」のこと。Bitchatを入れたスマホどうしがBluetoothでつながり、メッセージを次の端末へ手渡していく。バケツリレーのような仕組みだ。GitHubの説明では、中継は最大7回まで。ネットにつながるときは、Nostrという、特定の会社のサーバーに頼らない通信の仕組みで、遠くの人ともやり取りできる。
主にできることは次のとおり。
- 近くの人が見る公開のチャットと、1対1のメッセージ。1対1のメッセージは暗号化され、中継した人には読めない
- 相手が圏外でも、すれ違う人の端末が暗号化したまま運ぶ(App Storeの更新の説明)
- 3回続けてタップすると、データをすべて消せる「緊急消去」
安全性について公式が言っていること
公式の技術文書は弱点も書いている。やり取りの周りの情報(誰が近くにいるか、など)が「この設計でいちばん弱い部分」だという。近くで電波を拾う人は、端末を場所をまたいで追える、としている。
GitHubの説明は、iPhone版をApp Storeから入れるよう勧めている。ほかの場所で配られるものは、書き換えられていても確かめようがないためだ。
災害やイベントで役立つのか
公式サイトは、ネットの障害や自然災害、デモのときにも使えるとしている。Google Playの説明でも、ネットが混み合っていたり使えなかったりしても、近くの人と話せるとする。
ただし、届く相手は近くでBitchatを入れている人だけだ。届く距離や、何人いれば安定するかの目安は、公式に示されていない。災害時の連絡は、携帯電話会社の災害用伝言板などと合わせて考えるのが無難だろう(TECHNOVAの見方)。
日本ではどうなるのか
日本のApp Storeで無料で配信され、日本語に対応している。iOS 16.0以降のiPhoneで使える。Android版(Android 8.0以降)も、Google Playで無料で配信されている。日本の無料アプリのランキングでは、10月23日未明の時点で上位100位に入っていなかった。
まとめ
Bitchatは、ネットが無くても近くの人と話せるアプリだ。災害の備えとして試すなら、家族や仲間と一緒に入れておきたい。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月23日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。