2026年の南極オゾンホールは観測48年で7番目の広さ、理由は天気
2026年の南極オゾンホールは、季節の平均で約2,500万平方キロに広がり、観測48年で7番目の大きさになった。広げたのは南極を囲む強い風の輪で、フロンを減らしてきた効果は今年も表れている。
サイエンス- ●9月7日〜10月13日の平均は約2,500万平方キロ、日本の国土の約66倍
- ●広がった主な理由は、南極を囲む風の輪「極渦」が大きかったこと
- ●フロンが2000年並みに残っていたら、さらに約350万平方キロ広かった可能性
冷蔵庫やエアコンのフロンを世界で減らしてきた約40年の取り組みが、今も効いているかを測る物差しになる。
オゾンホールは例年11〜12月ごろに消える。回復は2070年代の見込みで、それまでは天気しだいで年ごとに大きさが揺れそうだ。
オゾン層は、回復に向かっていたのではなかったか。
南極上空にできるオゾンホールが、2026年は大きく広がった。米国海洋大気庁(NOAA)とNASAが米国時間の11月4日に発表した観測結果によると、オゾンの破壊がいちばん進む9月7日から10月13日までの平均で、面積は約2,500万平方キロ。日本の国土は約37.8万平方キロなので、およそ66倍にあたる計算だ。この時期の平均で比べると、観測48年で7番目の大きさになる。
前の年とは様変わりした。2025年の同じ期間の平均は約1,871万平方キロで、両機関は1992年以降で5番目に小さいとしていた。1年で3割余り広がったことになる。
それでも、両機関は長い目で見た回復は予定どおりだとみている。今年広がった原因が、人の出す物質の増加ではなく、天気だったからだ。
南極を囲む風の輪が、例年より大きかった
今年の広さを決めたのは、極渦(きょくうず)と呼ばれる風だ。季節によって南極を取り巻く上空の強い風で、内側に冷たい空気を閉じ込める。冷え切った空気の中では特別な雲ができ、その粒とふれ合うことで、フロンなどから出た塩素や臭素がオゾンを壊せるようになる。
NOAA化学科学研究所のエイミー・バトラー氏によると、今年の極渦が大きくなったのは、ふだん下層から上がってきて極渦を崩す地球規模の大気の波が、8月と9月にとりわけ弱かったことが一因だ。そのため、いちばん強い風の帯が南極点から緯度で数度ほど外側に離れ、オゾンが壊れやすい範囲が広がった。
気象庁の分析も同じ筋書きだ。7月以降に極渦が安定し、高度約20キロ付近の気温の低い範囲が、最近10年間の最大を上回る大きさで推移したという。
一方で、フロンを減らしてきた効果も数字に出ている。NASAのオゾン研究チームを長く率いてきたポール・ニューマン氏によると、オゾン層を壊す物質が2000年のピークと同じだけ大気に残っていたら、今年の穴はさらに約350万平方キロ大きくなっていた可能性がある。日本の国土なら9つ分ほどだ。
ニューマン氏は「ここ数年、オゾンホールができる時期は遅くなってきている。オゾン層が回復しつつある表れだ」とも話す。
穴の深さは、記録の年ほどではない
広さのわりに、オゾンの減り方は10年、20年前の記録的な年ほど激しくなかった。NOAAが南極点で気球などを使って測ると、真上のオゾンがいちばん少なかったのは10月17日で、105ドブソン単位。過去最低は2006年10月の92ドブソン単位だ。ドブソン単位はオゾンの量を表す単位で、海面の気温と気圧で押し縮めると厚さ1ミリになる量が100ドブソン単位にあたる。
1日の面積が最大になったのは9月18日で、NOAAとNASAの値は2,710万平方キロ。観測史上最大だった2000年9月9日の約9割にあたる。気象庁も衛星のデータで同じ穴を追っていて、最大の日は同じ9月18日だが、10月24日時点の速報値では2,650万平方キロと少し小さい。機関ごとに使うデータや計算の仕方が違うためで、比べるなら同じ機関の数字どうしがよい。気象庁のページは、来年1月ごろまで毎月更新される。
なお、NOAAが「地球の日焼け止め」と呼ぶのは上空のオゾン層で、地上近くのオゾンとは別物だ。地上のオゾンは、人の活動から生じることの多い大気汚染の物質である。
フロンなどはかつて、冷蔵庫やエアコン、建物の断熱材に広く使われた。大気に長く残り、古い製品や埋め立て地から何十年も漏れ出す。それらが分解されていくにつれ、オゾンホールは2070年代までに回復する見込みだ。
今年の広さだけで、回復が止まったと考えるのは早い。穴の大きさは年ごとに天気で揺れるが、回復は2070年代に向けて何十年という単位で進んでいく。
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。
この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。執筆と監修は佐々木 航が担い、公開した記事も人が確認しています。 記事の中身の責任は編集部が負い、誤りに気づいたら直して、記事の末尾に更新の行を残します。編集の方針とAIの使い方