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最も低温の褐色矮星の水の雲、厚くなったり薄くなったり ウェッブ望遠鏡で11時間観測

米アリゾナ大学は、知られている中で最も低温の褐色矮星「WISE 0855」で、水の雲の厚さが変わる様子をとらえたと発表した。ウェッブ望遠鏡で11時間観測した。ただ、この天体の水の雲の手がかり自体は2014年に報告されている。

TECHNOVA編集部AIにより執筆公開 2026年10月25日 23:08・ 読了 約4分
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サイエンス
画像: NASA/JPL-Caltech/Penn State University / NASA Photojournal「Cold and Close Celestial Orb (Artist’s Concept)」(PIA18001・2014年に公開されたWISE 0855の想像図。今回の観測の結果を描いたものではない。横長に合わせて左に黒い余白を足した)(NASA IMAGES AND MEDIA USAGE GUIDELINES)
TECHNOVA まとめ
要するに
  • ●約7.4光年先の褐色矮星WISE 0855を、ウェッブ望遠鏡が11時間観測した
  • ●新しいのは雲の厚さの変化。水の雲の手がかり自体は2014年に報告済み
  • ●厚さの変化は2つのモデルの片方だけが示した。自転の周期も未確定
じぶんごと

宇宙のニュースの「初めて」は、何が初めてかで重みが変わる。今回は「水の雲」ではなく「雲の厚さの変化」が初めてで、見出しを読み分けるよい例になる。

この先どうなる

マイルズ氏は、ウェッブ望遠鏡でさらに長く観測し、自転や大気の立体的な動きを詰めたい考えだ。論文は、20時間を超える観測が要るとしている。

2014年9月、米国のカーネギー研究所は、太陽系の外の天体で水の氷の雲の「最初の証拠」を見つけたと発表した。対象は、その年に見つかったばかりの褐色矮星「WISE 0855」だ。それから12年後の2026年10月8日、米アリゾナ大学が同じ天体について、変化する水の雲を初めて検出したと発表した。今度の「初めて」は、雲があることではなく、雲が厚くなったり薄くなったりする様子を指す。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で11時間観測した成果だ。

7.4光年先にある、氷点下の褐色矮星

WISE 0855(正式名 WISE J085510.83-071442.5)は、惑星ではなく褐色矮星だ。褐色矮星は、恒星になるには軽すぎ、惑星と呼ぶには重すぎる天体を指す。生まれたときの熱の残りで、かすかに光っている。

知られている中で最も低温の褐色矮星とされ、温度は約265K(ケルビン。摂氏では約マイナス8度)で、地球の表面より冷たい。アリゾナ大学によると、大きさは木星とほぼ同じで、質量は木星の約2倍ある。論文が使った距離は2.28パーセクで、約7.4光年にあたる。

雲は本当にあるのか、揺れてきた見方

この天体の雲については、10年以上、見方が揺れてきた。論文の整理をもとに、主な流れを並べる。

年 調べ方 分かったこと
2014年 チリにある地上の望遠鏡で、近赤外線の明るさを測る 水と硫化物の雲を含む大気のモデルと合った。カーネギー研究所は、太陽系の外で水の氷の雲の「最初の証拠」と発表
2016年 初めてスペクトル(光を波長ごとに分けたもの)を得る 水の雲ができる高さに、光をさえぎる層を足したモデルのほうがよく合った
2016年 スピッツァー宇宙望遠鏡で、明るさの変化を追う(観測は2015年) 明るさが変化した。雲に覆われた割合が数%変わるだけで説明できるとした
2024〜2025年 ウェッブ望遠鏡の観測を分析 雲のないモデルでも主な特徴をおおむね再現できた。ただ、高さごとの温度の分布が理論から大きくずれ、光をさえぎる何かが足りないことも示された
2026年(今回) ウェッブ望遠鏡で、スペクトルの変化を11時間追う 平均のスペクトルの形を合わせるには、水の雲が必要だった

11時間、15分ごとに44回

観測したのは2023年12月2日(世界時)だ。近赤外線分光器NIRSpecで、波長2.87〜5.27マイクロメートルの赤外線を、15分ごとにスペクトルとして記録した。11時間で44回になる。

これまでの変化の観測は、明るさだけを測る方法が中心だった。明るさだけでは、暗くなった理由が雲なのか、温度なのか、ガスの量なのかを見分けにくい。スペクトルなら、どの分子が光を吸う波長で変わったかまで分かる。マイルズ氏も「ウェッブ望遠鏡の前は明るさの観測しかなく、雲、大気の成分、温度の影響がひとまとめになっていた。今は見分けられる」と話す。

雲の薄い所から、深い層のガスがのぞく

WISE 0855が自転すると、雲の厚い所と薄い所が順に地球の側を向く。雲が薄い所では、大気の深い層まで見通せる。深い層には、対流で下から運ばれた一酸化炭素やホスフィン(リンと水素からなる分子)が多い。

観測では、一酸化炭素が光を吸う波長の変化がいちばん大きく、波長によっては最大10%の幅で揺れた。ホスフィンの変化は、一酸化炭素と連動していた。一方、水蒸気が光を吸う波長では、変化が小さかった。

研究チームは、上層の雲は水だけでできている可能性が高く、雲の薄い所から一酸化炭素とホスフィンの多い深い層が見えていると結論づけた。雲の厚さの変化は高い層で、ガスの変化はもっと深い層で起きているという。

「確かめた」と「証拠」のあいだ

アリゾナ大学は発表で、水の雲の厚さが時間とともに変わることを「初めて直接確かめた」としている。一方、論文の要旨は「まだらな水の雲の証拠を示す」という表現にとどまる。雲の存在も厚さの変化も、観測データを大気のモデルと比べて導いたものだ。

比べたモデルの間でも、答えは分かれた。「PICASO」というモデルでは、雲を含む大気が最もよく合った。ただ、時間ごとのスペクトルに当てはめても雲の量は一定のままで、水蒸気の波長の小さな変化は再現できなかった。「coolTLUSTY」というモデルでは、温度と雲の厚さの両方を変えると、その変化までよく合った。研究チームは後者をもとに、雲の厚さが変わっていると判断した。

自転の周期も、まだ分からない。今回のデータでは5.4〜5.6時間の周期を示す信号が出たが、もっと長い周期の可能性も十分ある。

大気の模式図は論文の図21に

論文の著者27人の所属は米国とアイルランドの大学や研究機関で、日本の機関は含まれていない。論文はarXiv(論文の公開サイト)で、誰でも無料で読める(英語)。図21には、雲の厚い所と薄い所、深い層から上がってくるガスを描いた大気の模式図がある。

褐色矮星の大気については、NASAの赤外線宇宙望遠鏡SPHERExで多くの天体をまとめて調べた研究もある(SPHERExの観測の記事)。SPHERExはたくさんの天体を一度に比べたが、今回は1つの天体を11時間追い続けた。

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TECHNOVA編集部AIにより執筆
この記事は AI が執筆しました。

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