【解説】25万円の携帯ゲーム機「ROG XBOX Ally X20」 去年の機種と何が違い、なぜ高いのか
ASUSの携帯ゲーム機「ROG XBOX Ally X20」が10月16日に日本で発売される。希望小売価格は25万8,800円(税込)。中身はWindowsのパソコンで、去年の「ROG XBOX Ally X」から処理の性能は変わらない。何が変わり、なぜ高いのかを整理する。
ガジェット- ●中身はWindowsのパソコンで、処理の性能は去年のROG XBOX Ally Xと同じ
- ●変わったのは有機ELの画面、壊れにくいスティック、静かになった冷却
- ●価格は25万8,800円で、去年の機種の今の価格より8万9,000円高い
パソコンのゲームを外でも遊びたい人には、画面の見やすさとスティックの壊れにくさが買う理由になる。速さを求めるなら去年の機種と変わらないので、価格の差に見合うかを見極めたい。
ROG Allyは2023年から毎年新しい機種が出ている。ASUSは設定アプリの新しい機能を先に試せる仕組みも用意し、更新で使い勝手を改めていく考えだ。
ASUS JAPANは2026年10月16日、携帯ゲーム機「ROG XBOX Ally X20」を発売する。希望小売価格は25万8,800円(税込)。眼鏡型の画面「ROG XREAL R1 Edition 20」やケースが付くセットは44万2,800円(税込)だ。ゲーム機としてはかなり高い。この記事では、どんな機械なのか、去年の機種と何が違うのか、なぜ高いのかを整理する。
そもそも、どんな機械なのか
見た目は携帯ゲーム機だが、中身はWindows 11 Homeが動くパソコンだ。画面の左右にコントローラーが付いた形をしている。
電源を入れると、パソコンのデスクトップではなく、「XBOXモード」という全画面のゲーム用の画面が開く。コントローラーでゲームを選んで始められるので、キーボードやマウスは要らない。PC Watchによると、Microsoft Storeのほか、パソコンのゲームを売る「Steam」が最初から入っていて、「Epic Games」や「GOG」などの店のアプリも入れられる。
つまり、パソコンで買ったゲームを、持ち歩いて遊べる機械だ。ゲーム機の会社が作る専用機とは違い、遊べるゲームの多くはパソコン向けの作品になる。XBOXボタンを長押しすればWindowsのデスクトップも開け、マウスなどをつなげば普通のパソコンとしても使える。
去年の「ROG XBOX Ally X」と何が違うのか
ASUSの発表とPC Watchのレビューをもとに、主な違いをまとめた。
| ROG XBOX Ally X20 | ROG XBOX Ally X(去年の機種) | |
|---|---|---|
| 処理チップ | Ryzen AI Z2 Extreme | 同じ |
| メモリー・保存 | 24GB・1TB | 同じ |
| 画面 | 7.4型の有機EL | 7型の液晶 |
| カードの差し込み口 | microSD Express | microSDXC |
| 重さ | 約756g | 約715g |
| 価格(税込) | 25万8,800円 | 16万9,800円(PC Watchによる今の価格) |
いちばん大事なのは、処理チップとメモリーが変わっていない点だ。PC Watchの測定でも、性能の差はほとんどなかった。速さを求めて買い替える機種ではない。
変わったのは、画面、スティック、冷却の3つだ。
しくみ1: 有機ELの画面
液晶は、裏から光を当てて、その前で色を付ける仕組みだ。有機ELは、点の一つひとつが自分で光る。黒い部分は光を消すので、暗い場面がくっきり見える。
ASUSによると、画面は7.4型で、1秒に最大120回描き直す。表示の切り替わりは0.2ミリ秒と速い。明るさは最大1,400ニトで、明るい場所での見やすさを示す「VESA DisplayHDR 1400」の認証を受けている。本体の大きさをほぼ保ったまま、画面のまわりの縁を約60%細くし、画面を7型から7.4型に広げた。
ゲームの描画の速さに合わせて画面の描き直しの回数を変える「VRR」にも対応する。描画が遅れたときに画面がずれて見える「ティアリング」を抑える仕組みだ。
しくみ2: 触らないのに動く「ドリフト」を防ぐスティック
ゲーム機のスティックは、長く使うと、触っていないのにキャラクターが動き出すことがある。これを「ドリフト」と呼ぶ。
X20のスティックは「TMR」という磁気のセンサーで動きを読み取る。触れずに読み取る仕組みで、ASUSは、長く使っても劣化によるドリフトを防ぐとしている。PC Watchによると、同じく磁気を使う「ホールエフェクト」という方式もあるが、TMRは使う電気が少ない。ASUSは、スティックの消費電力が去年の機種より約75%減ったとしている。
携帯ゲーム機はコントローラーが本体と一体なので、PC Watchが指摘するように、スティックが壊れると本体ごと修理に出すことになる。壊れにくさは、長く使う人ほど効いてくる。
十字キーは、引き上げて回すと、斜めが押しやすい形と、上下左右だけが押しやすい形を切り替えられる。ASUSは、8方向の形は格闘ゲームに、4方向の形はレトロゲームに向くとしている。
しくみ3: 静かになった冷却
ASUSによると、冷却の羽根(フィン)の体積を約11%増やし、空気の流れを約20%増やした。海外向けの発表では、ファンの羽根の数を減らして径を大きくし、空気を画面の裏、放熱の羽根、処理チップの3つに向けて流すとしている。
PC Watchは、電源につないで最大の性能でゲームを動かしても、ファンの音がかなり抑えられていたと伝えている。
なぜ、こんなに高いのか
PC Watchによると、去年のROG XBOX Ally Xは発売時に13万9,800円だった。その後、メモリーの値上がりの影響を受けて、今は16万9,800円になっている。X20は、その今の価格より8万9,000円高い。
米国では、X20は1,299ドルで、ROG XBOX Ally Xは999ドル、下位のROG XBOX Allyは599ドルで売られ続けている(ASUSの海外向けの発表)。フランスのNumeramaは、X20の価格を1,400ユーロと伝えた。
PC Watchは、20周年の記念モデルであることも価値の一つだとしたうえで、8万9,000円の差に見合うかが問われると書いている。
電池はどれくらいもつのか
電池の容量は80Wh(PC Watchの仕様表)。ASUS JAPANは、JEITA測定法3.0で、動画を再生し続けて約14.0時間、何もしないで約25.7時間とする。ただし、これはゲームを遊んだときの時間ではない。
Numeramaは、ゲームや性能のモードによって大きく変わり、いちばん電気を使う条件では約2時間だったと伝えている。長く遊ぶなら、充電の手段を持ち歩くことになる。
ASUSの海外向けの発表によると、設定アプリには、充電の電力を65Wに抑える「旅行モード」が加わった。飛行機や電車の座席のコンセントで充電しやすくするためで、機内モードにすると自動で入る。
日本ではどうなるのか
日本では、ASUSの通販のほか、Amazon.co.jp、エディオン、ケーズデンキ、コジマ、Joshin、ソフマップ、パソコン工房、ビックカメラ、ヤマダデンキ、ヨドバシカメラで売られる。テレビやモニター、キーボードにつなぐための別売りの台「ROG Bulwark Dock DG310」も、同じ10月16日に発売される。
電源ボタンには指紋のセンサーがあり、家族で使うときは、指ごとにそれぞれのアカウントへ切り替えられる。
なお、PC Watchによると、X20は横幅が10mm広くなった。Numeramaは、そのため去年の機種のケースは合わないと伝えている。
まとめ
ROG XBOX Ally X20は、パソコンのゲームを持ち歩いて遊ぶための機械だ。去年の機種から速さは変わらず、変わったのは有機ELの画面、ドリフトが起きにくいスティック、静かな冷却になる。
去年の機種を持っている人が速さのために買い替える理由は少ない。これから初めて買う人は、画面の見やすさとスティックの壊れにくさに、8万9,000円の差を払うかどうかで選ぶことになる。
- ASUS JAPAN(PR TIMES)「ASUS JAPAN、ROGブランド設立20周年記念モデル「ROG XBOX Ally X20」を10月16日に発売」(2026年10月15日)
- ASUS JAPAN(PR TIMES)「ASUS JAPAN、ROGブランド設立20周年記念モデル「ROG XBOX Ally X20」シリーズの予約開始を発表」
- ASUS Pressroom「ASUS Republic of Gamers Announces Availability of ROG XBOX Ally X20」(2026年10月15日)
- PC Watch「【Hothotレビュー】透明だけじゃない。「ROG XBOX Ally X20」の7つの進化点をチェックした」
- Numerama「Test du Rog Xbox Ally X20 avec écran OLED : l'aboutissement」(2026年10月15日)
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月15日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。