鏡の衛星で夜を照らす米Reflect Orbital、インドのロケットを2回分購入
宇宙の鏡で夜の地上に太陽の光を届ける計画の米Reflect Orbitalは10月14日、インドのSkyroot Aerospaceのロケットを2回分買ったと発表した。最初の衛星は7月に米国の当局の許可を得たが、まだ打ち上げ前だ。天文学の団体は光害を心配している。
サイエンス- ●米Reflect Orbitalが、インドのSkyrootのロケットを2回分買った
- ●鏡の衛星は7月に米国の当局の許可を得たが、まだ打ち上げ前
- ●天文学の団体は、夜空が明るくなる「光害」を心配している
星空の観察や天体写真が好きな人には、将来の夜空の暗さに関わる話だ。日本でのサービスの提供は発表されていない。
打ち上げの日は公表されていない。上がれば、満月ほどの光を1回最長5分、地上に届ける実証をする計画だ。
宇宙の鏡で夜の地上へ太陽の光を届けようとする米国のReflect Orbital(リフレクト・オービタル)は2026年10月14日、インドのロケット会社Skyroot Aerospace(スカイルート・エアロスペース)の打ち上げを2回分買ったと発表した。同社の最初の衛星は7月に米国の当局の許可を得たが、まだ打ち上げていない。
何が発表されたのか
2回とも、Reflect Orbitalの衛星だけを載せる専用の打ち上げだ。1回目はSkyrootの「Vikram-1(ヴィクラム1)」を使い、2回目は開発中の「Vikram-1U」を使う。Vikram-1Uは、1段目に補助のロケットを足して力を高めた型だという。米国から打ち上げる予定とは別に、日程と載せる量を確実にするためとしている。
Vikram-1は2026年7月の初めての打ち上げで、軌道に届いた。Skyrootによると、インドの民間が開発したロケットで初めてだ。
ベン・ノワックCEOは「今は打ち上げの枠が本当に足りない」と述べた。あわせて、天文学者や地域の住民、規制当局と協力を続けるとした。打ち上げの日は公表していない。
鏡の衛星とは
米連邦通信委員会(FCC)は2026年7月9日、同社の実証衛星「Eärendil-1」を許可した。FCCは電波の利用などを許可する役所だ。FCCの記録によると、衛星は薄い膜の鏡を広げ、向きを変えて夜の地上の狙った場所へ太陽の光を返す。高度625kmで運用し、許可の期間は軌道に入ってから2年だ。
同社の公式ブログによると、実証で届ける光は満月ほどの明るさだ。1回は最長5分で、日没後2時間以内に限る。太陽光発電所が夜も発電できるようにすることや、夜の捜索・救助を照らすことを用途に挙げる。公式サイトの計画表では、2035年に衛星を5万基以上に増やすとしている。
地上のライトで予行演習も
夜空の暗さを守る活動をするダークスカイ・インターナショナルは10月21日、同社が10月10日の夜、カリフォルニア州のローンパインの近くで予行演習をしたと伝えた。衛星ではなく、山道に置いた大型のライト2台で谷を照らしたという。同社の公式サイトには、10月23日時点でこの試験の発表は無い。ダークスカイは、この計画の許可の取り消しをFCCに求めている団体だ。
ダークスカイによると、試験には地元のボランティアの救助隊が加わり、ライトがある時と無い時で、同じ捜索の訓練をして比べた。隊を率いるフィリップ・キャッシュ氏は、足元は見やすくなったが、人を探す仕事は「わずかに良くなった」程度だと話した。一方で、電気が何日も使えない大きな災害では「大きな違いを生む」とみている。
天文学の団体が心配する「光害」
光害とは、夜の人工の光が星の観測や生き物、人の眠りなどに悪い影響を与えることだ。FCCの記録によると、米国天文学会(AAS)は許可しないよう求めたが、FCCは退けた。国際天文学連合(IAU)は、天文台から160km以内に光を向けないことなどを条件にするよう求めた。
FCCは、天文観測への影響は自らの審査の範囲外だとして、新たな条件は付けなかった。同社が天文学者と調整し、研究用の天文台の場所は照らさないと約束している点も挙げた。ダークスカイ・インターナショナルなどは8月6日、FCCの委員会全体に許可の取り消しを求めた。
日本ではどうなるのか
日本でのサービスの提供は発表されていない。実証衛星がどこを照らすかについても、公式の発表はない。
まとめ
Reflect Orbitalは、インドのロケットも使って鏡の衛星を打ち上げる準備を進めている。宇宙から満月ほどの光を届けられるか、夜空にどれだけ影響するかは、衛星を打ち上げてからの実証で確かめることになる。
- Reflect Orbital「Reflect Orbital Purchases Two Skyroot Launches」(2026年10月14日)
- 米連邦通信委員会(FCC)「Reflect Orbital Inc. Order and Authorization」(DA 26-706)
- Reflect Orbital 公式ブログ「Reflect Orbital Seeks Collaboration with Dark Skies」
- Reflect Orbital 公式ブログ「Humanity Has an Energy Problem」
- Reflect Orbital 公式サイト
- Reflect Orbital「News and Insights」
- DarkSky International「DarkSky and allies ask the FCC to reverse its approval of the Reflect Orbital “space mirror”」(2026年8月6日)
- DarkSky International「A rehearsal for space mirrors leaves California rescuers unconvinced」(2026年10月21日)
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月23日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。