NASA、次世代の耐熱シールド実験を発表、補給船で新材料や展開式を検証
NASAは次世代の耐熱シールド材料を調べるKREPE-3を発表した。補給船に載せた実験カプセル12個で、新しい保護材や傘のように広がるシールドを試す予定だ。月や火星から帰還する宇宙飛行士の保護に役立てる。
サイエンス- ●NASAが耐熱材料を調べるKREPE-3を発表
- ●補給船の実験カプセル12個で材料や形を試す予定
- ●新しい保護材や傘のように広がるシールドを検証予定
月や火星の探査に関心がある人にとって、宇宙飛行士を帰還時の熱から守る技術の動きだ。
実測データが集まれば、月や火星からの帰還に使う耐熱シールドの開発が進む可能性がある。
NASAは2026年10月9日、次世代の耐熱シールド材料の実証実験を発表した。実験名はKREPE-3で、月や火星から帰還する宇宙飛行士を守る技術の開発に役立てるとしている。
何が発表されたのか
KREPE-3は、同じシリーズの3回目に当たる実験だ。NASA向けのNorthrop Grumman 24補給ミッションに、実験カプセル12個を搭載した。
実験に使うのは、国際宇宙ステーションを離れた補給船Cygnus XLだ。宇宙飛行士は廃棄物を積み、出発前にカプセルを作動させた。補給船が大気圏で分解する際にカプセルを放出し、耐熱材料のデータを集める予定だ。
カプセルはケンタッキー大学の学生が設計した。温度、圧力、動き、磁場、光を測るセンサー(測定器)を備える。集めたデータは衛星を通じ、その場で研究者へ送る予定だ。材料の試験やデータの収集は、予定として示されている。
かんたんに言うと
耐熱シールドは、宇宙船を熱から守る「盾」のようなものだ。今回の実験は、違う材料や形の盾をカプセルに持たせ、実際の環境で測る取り組みと考えると分かりやすい。
試験対象には、スペースシャトルで使われたセラミックタイル材料が含まれる。熱から守るためのタイル状の材料だ。NASAジョンソン宇宙センターなどが開発した、3Dプリント製の耐熱シールドも試す予定だ。3Dプリントは、立体のものを成形する製造方法である。
2個のカプセルでは、NASAエイムズ研究センターの新しい保護材MERINOを試す予定だ。炭素繊維とフェノール繊維の層を、フェルトのように縫い合わせた材料である。NASAは従来材より柔軟で、製造が速く、費用も低いとしている。
材料だけでなく、形状や設計も調べる。1個のカプセルでは、傘のように広がる展開式耐熱シールドを試す予定だ。NASAによると、表面積を広げて降下速度を落とす仕組みである。NASAは、打ち上げロケットより大きな荷物に適するとしている。
日本では
日本との関わりは発表には書かれていない。
まとめ
KREPE-3では、補給船から放出するカプセルで、耐熱材料や展開式シールドを調べる予定だ。新しい保護材だけでなく、スペースシャトルで使われた材料も試験対象に含まれる。
実際の測定結果が得られれば、材料や形の検討を支える情報になる可能性がある。月や火星から帰還する宇宙飛行士を守る技術に、どうつながるかが今後の注目点だ。