NASA、宇宙での点検技術を実証へ 運用終了の物体に接近して状態を調査
NASAが支援するSSPICYが、運用を終えた宇宙物体の点検技術を実証する。最大4個を対象に、2027年初めから接近して状態を調べる予定だ。今回の実証では、人工衛星への接触やドッキングは行わない。
サイエンス- ●NASAが支援するSSPICYが宇宙物体の点検技術を実証する
- ●最大4個を対象に、2027年初めに接近して点検を始める予定
- ●今回の実証では、人工衛星への接触やドッキングは行わない
通信・天気予報・測位を担う衛星に関わる話題で、宇宙ごみの問題は日常の暮らしともつながる。
今回の点検技術の実証が、将来の宇宙物体の整備・修理や除去に向けた足がかりになる可能性がある。
NASAは2026年10月8日(米国時間)、支援するSSPICYによる宇宙での点検技術の実証について発表した。運用を終えた宇宙物体に近づき、その状態を調べる取り組みだ。
何を、どのように点検するのか
SSPICYは2026年10月1日、米カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられた。点検には、Starfish Spaceが開発・運用する宇宙船Otter 24Cを使う。
対象は、地球低軌道(地球に比較的近い軌道)にある、機能していない米国由来の宇宙物体だ。人工衛星やロケットの機体を含む最大4個を点検する。
点検開始は2027年初めの予定だ。対象から数百ヤード以内に近づき、回転速度、向き、表面の状態を調べる。今回の実証では、人工衛星に接触したり、ドッキング(機体同士を結合すること)したりはしない。
かんたんに言うと、触らずに状態を確かめる
身近なたとえなら、修理する前に機械の周囲を見て、動きや外側の状態を確認する作業に近い。今回は「直す」実証ではなく、近づいて「調べる」技術の実証だ。
NASAによると、地上からの指示を最小限に抑え、宇宙船が自ら判断して接近する。画像認識(画像から対象の状態などを読み取る技術)とセンサーを使い、接近中の進み方をその場で判断するとしている。
移動の仕組みも試す。NASAによると、電気推進システム(電気を使って進む仕組み)で点検対象の間を移動する。可動式ロボットアームで推進器の向きを変え、異なる軌道間を精密に移動する試験も行う。
NASAは、これらの技術を一体化したシステムとして試験するのは初めてだとしている。対象の状態を調べるだけでなく、そこまで近づき、次の対象へ移動する技術も確かめる実証だ。
日本では
日本との関わりは発表には書かれていない。
NASAによると、通信・天気予報・測位などを担う衛星が毎年数千基打ち上げられている。一方、故障した物体や運用を終えた物体の破砕・衝突で、大小の宇宙ごみが生じると説明している。今回の点検対象は米国由来の物体だが、衛星が担う役割は日常の暮らしとも関わる。
まとめ
SSPICYは、運用を終えた宇宙物体への接近と点検を試す取り組みだ。点検は2027年初めに始まる予定で、今回、人工衛星への接触は行わない。
将来の目標は、軌道上の物体の整備・修理や、大気圏へ引き込んで除去するための技術を試すことだ。今回の実証は、そのために物体の状態を把握する足がかりになる可能性がある。