災害時に海からスマホの電波を 通信4社が船上基地局を共同訓練
通信4社は10月13〜14日、道路が使えない災害を想定し、船に基地局を積む共同訓練を横浜市で行った。能登半島地震でも使われた「船上基地局」を、各社で同じ船を使って動かせるようにする取り組みだ。
IT- ●NTTグループ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが同じ船に機材を積んだ
- ●ソフトバンクの基地局は手すりに固定し、衛星回線にStarlinkを使う
- ●2024年の能登半島地震では、ドコモとKDDIが輪島市の沿岸で運用した
道路が切れて車が入れない沿岸の地域でも、海からスマホの電波を届ける手段を各社が備えようとしている。使っている携帯会社が違っても同じ船を活用できるようにする訓練だ。
次の訓練の予定や、災害時に使える船の数は、今回の記事には書かれていない。訓練で出た課題を各社がどう手順に反映するかが、次の焦点になる。
大きな地震で道路が切れると、電波を直すための機材も、移動基地局の車も、被災地に入れなくなることがある。そんなときに海から電波を届けるのが、船に基地局を積む「船上基地局」だ。
この船上基地局を4社で動かす共同の訓練が、10月13〜14日に横浜市で行われた。参加したのはソフトバンク、NTTグループ、KDDI、楽天モバイルで、ソフトバンクが10月30日に自社のニュースサイトで様子を伝えた。使った船は、KDDIケーブルシップが持つ「KDDIオーシャンリンク」だ。
機材を船の中で運ぶところから
訓練の中身は地味だが、実際の災害を考えると欠かせない手順の確認だ。各社は機材を積んだ車を船の横まで動かし、荷下ろしから船内への搬入までを確かめた。災害時には、限られた船内で複数の会社が機材を扱うことになる。そのため搬入の経路や作業の手順に加えて、機材を安全に置いておく配置も確認した。
翌日は、船内に置いた機材を、通路や階段を通って船の上部の「コンパスデッキ」まで運んだ。4社はここで割り当ての場所を使い、基地局を組み立てて設置した。
ソフトバンクが使ったのは、船に置くことを想定して開発した小型の設備だ。船の手すりに直接取り付けられ、揺れや海の上で起きる塩害への対策も考えて設計している。基地局と通信網をつなぐ衛星回線には、Starlinkのアンテナを使う。
訓練のあとは船長が各社の設備を確かめ、固定の方法や安全について助言した。ソフトバンクは、より安定する取り付け位置について具体的な助言を受けたという。各社の担当者は互いの設備を見ながら、固定の方法や機材の搬入と撤収の課題について意見を交わした。ソフトバンクの担当者は「各社で設備の構造や設置方法は異なりますが、互いの工夫や知見を共有できることも、こうした共同訓練の意義だと感じています」と話している。
能登半島地震では、海から電波を届けた
船上基地局は、すでに実際の災害で使われている。2024年の能登半島地震では、NTTドコモとKDDIが1月6日から、海底ケーブルを敷く船「きずな」に両社の基地局の設備を載せて運用した。陸路が絶たれて復旧が難しかった石川県輪島市の一部の沿岸に、衛星アンテナで受けた電波を船の上から届ける形だった。ドコモとau、UQ mobile、povo、両社の回線を使うMVNOの通信サービスが使えるようになった。
このときは2社の取り組みだった。今回は4社が同じ船で手順を確かめており、ソフトバンクによると、各社は災害時に船を共同で使って船上基地局を運用できるよう連携を進めている。
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代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。