富士通Japan、診療所向けクラウド電子カルテを強化、国の認証制度に対応へ
富士通Japanは、診療所・中小規模病院向けに開発中のクラウド型電子カルテの機能強化に着手した。国の認証制度への対応が目的で、2027年4月から提供開始予定。電子カルテ情報共有サービスとの連携も予定する。
SaaS- ●富士通Japanが電子カルテの機能強化に着手
- ●国の認証制度への対応が目的、2027年4月から提供開始予定
- ●全国で患者の情報を共有する仕組みとの連携も予定
地域の診療所や病院に通う人にとって、診療情報を記録し、医療機関などで共有する仕組みに関わる動きだ。
予定どおりに開発が進めば、地域の診療所や中小規模病院で、国の標準仕様に沿った情報共有が進む可能性がある。
富士通Japanは2026年10月16日、開発中のクラウド型電子カルテの機能強化に着手した。診療情報を電子的に記録する仕組みを、厚生労働省が公表した電子カルテの標準仕様に関する認証制度に対応させることが目的だ。
地域の診療所や中小規模病院が対象
対象は、地域医療を担う診療所や中小規模病院だ。富士通Japanは、これらの医療機関向けシステムを2027年4月から提供開始予定としている。
今回の発表は、完成したシステムの提供開始ではない。開発中の電子カルテについて、国の認証制度に対応するための機能強化に着手したという内容だ。提供時期とともに、現在は開発段階である点を押さえておきたい。
かんたんに言うと、記録と共有の仕組みづくり
クラウドとは、ネットワークを通じてコンピューターの機能を利用する仕組みだ。今回の電子カルテは、クラウド上での動作を前提に設計する「クラウドネイティブ型」に当たる。クラウドの利点を生かすための設計方式である。
たとえるなら、電子カルテは診療内容を書き留めるノートに当たる。一方、連携を予定する電子カルテ情報共有サービスは、そのノートの情報を関係先で共有するための仕組みに当たる。記録する役割と、共有する役割を分けて考えると分かりやすい。
電子カルテ情報共有サービスは、厚生労働省が展開を予定している。全国の医療機関や薬局などで、患者の電子カルテ情報を共有する仕組みだ。
情報共有に加え、大規模病院向けも開発
富士通Japanは、電子カルテ情報共有サービスとの連携を予定している。処方箋を電子的に扱う電子処方箋サービスとの連携も予定する。いずれも、今回の発表では今後の予定として示されたものだ。
大規模病院向けのクラウド型電子カルテも、2028年度中の提供を目指す。こちらは、AI(人工知能)などの外部サービスや、他の医療システムとの柔軟な連携を目指すとしている。
大規模病院向けシステムの開発では、デジタル庁・厚生労働省の協議会に参画している。富士通Japanは、国と連携して開発を進めているという。
まとめ
今回の中心は、地域の医療機関向け電子カルテを、国の標準仕様に関する認証制度へ対応させる開発だ。診療所・中小規模病院向けは2027年4月から提供開始予定となる。開発と連携が予定どおりに進めば、診療情報を記録する仕組みと、医療機関などで共有する仕組みの接続が進む可能性がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月16日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。