NVIDIAとNokia、通信網をAI基盤にする取り組みで各国の試験が進展
NVIDIAは、通信網にAI向け計算基盤を組み込む各社の取り組みを発表した。Nokiaが試験用ソフトを提供し、米国では商用網で通話を実施。通信とAIを同じ基盤で動かす仕組みだ。日本での提供は発表されていない。
IT- ●NVIDIAが通信網にAI向け計算基盤を組み込む取り組みを発表
- ●Nokiaは通信4社の試験にソフトを提供する
- ●T-Mobileは市販スマートフォンでAI-RAN通話を実施
スマートフォンの通信を支える設備で、身近な場所からAIサービスも届ける取り組みだ。
2027年には英国での実網試験などが予定され、通信とAIを共に動かす検証が進みそうだ。
NVIDIAは、通信各社が通信網にAI向け計算基盤を組み込む取り組みを発表した。発表日は資料に記載されていない。
通信網をAIの計算にも使う
今回の取り組みは、通信を支える設備でAIも動かすものだ。通信各社はデータセンターや基地局などに計算基盤を置き、利用者の近くでAIを動かす。
中心となるのがAI-RANだ。無線通信の処理とAIサービスを、共通の計算基盤で動かす仕組みを指す。NVIDIAによると、電波の周波数を有効に使い、利用者に近い場所からサービスを届けることを狙う。
Nokiaは、NVIDIAの計算基盤ARC上で動くanyRANソフトを通信4社の試験に提供する。NVIDIAによると、世界の通信事業者約20社が、Nokiaと同社のAI-RAN採用に向けた協業を公表している。
かんたんに言うと、通信設備にAIの仕事場を置く
たとえるなら、通信を取り次ぐ拠点に、AIの仕事場も設ける考え方だ。通信の処理とAIの処理を別々に考えるのではなく、共通の設備で担う点が特徴になる。
NVIDIAによると、T-Mobileは米国ベルビューの商用網で世界初のAI-RAN通話を実施した。通話には既存の5Gコア網と市販スマートフォンを使った。5Gコア網とは、5Gの通信を中核で支える仕組みだ。
試験は通話だけではない。NVIDIAによると、Elisaは5Gで音声・モバイルデータ・映像解析を同時実行する欧州初の試験を実施した。Orangeは、救急・現場対応チーム向けに多言語のリアルタイム翻訳を実演したという。
日本では提供時期などは未発表
日本での提供は発表されていない。提供時期や価格、日本語対応も資料には書かれていない。
一方、日本に関わる動きとして、NTT DATAの取り組みが紹介されている。同社は通信網の運用を支えるNextGenOSSを、NVIDIA Nemotronなどで拡張している。Nemotronは、ここでは通信網の運用を支援するAIの開発に使われている。
NVIDIAによると、NTT DATAは通信品質の劣化兆候や原因候補を検出し、対処を提案するAIを開発する。
まとめ
今回の発表は、通信網をAIの計算にも使う取り組みだ。通話に加え、映像解析や翻訳などでも試験や実演が行われている。
BTは2027年、英国バーミンガムの実網でNokia、NVIDIAとAI-RAN試験を行う予定だ。Deutsche Telekomも2027年に実地試験へ進む予定で、実際の通信環境での検証が進みそうだ。
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チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。