MIT発SanaHeal、縫わずに組織を貼る接着技術で手術用途のヒトでの試験へ
MIT発のSanaHealが、濡れた組織を貼り合わせる生体接着技術を開発した。外傷の止血用途では規制当局の承認を取得済み。2027年に手術中の止血や組織修復を目的とするヒトでの試験を始める予定だ。
サイエンス- ●MIT発のSanaHealが組織を貼り合わせる接着技術を開発
- ●外傷の止血用途では規制当局の承認を取得済み
- ●2027年に手術中の止血や組織修復を目的とするヒトでの試験を予定
手術を受ける人に関わる、組織を縫う代わりに貼り合わせる技術の話だ。
2027年に予定するヒトでの試験で、手術中の止血や損傷組織の修復に向けた検証が進みそうだ。
マサチューセッツ工科大学(MIT)は2026年10月20日付の発表で、MIT発のSanaHealによる生体接着技術を紹介した。体の組織同士を貼り合わせる技術で、2027年に手術用途のヒトでの試験を始める予定だ。
組織を縫う代わりに貼り合わせる
SanaHealが開発したのは、体の組織同士を接着する技術だ。MITによると、濡れて凹凸のある組織表面にも素早く接着できる。接着部から空気や液体が漏れないよう、密閉もできるとしている。
外傷による出血を止める用途では、すでに規制当局の承認を得ている。一方、手術中の止血や損傷組織の修復を目的とするヒトでの試験は、2027年に始める予定だ。承認を得た用途と、これから試験する用途は分けて捉える必要がある。
SanaHealは大手医療機器企業と、臨床試験や製品化で協力している。提携先は、切開して患部を露出する手術向けの製品を開発している。腹腔鏡・内視鏡(体内を観察する器具)を使う手術向けの製品も開発している。
かんたんに言うと、組織に使う両面テープ
仕組みを身近なものにたとえると、組織同士をつなぐ両面テープだ。着想源は、フジツボやクモの巣など自然界の粘着物質だった。
材料には、ハイドロゲル(高分子と水からできた柔らかい物質)を使う。MITによると、免疫反応や瘢痕組織(傷あとになる組織)の形成を抑える、体になじみやすい性質を持つ。
初期型は、おむつにも使われるポリアクリル酸という材料で、組織表面の水分を吸収する仕組みだった。MITは、両面テープのように数秒で組織に接着したとしている。単に粘着力を持たせるだけでなく、濡れた表面への対応が仕組みに含まれている。
日本では提供の発表なし
日本での提供は発表されていない。日本との関わりは発表には書かれていない。外傷の止血用途で得た承認を、日本での承認や利用開始と受け取ることはできない。
まとめ
今回の技術は、組織を針で縫う代わりに、接着して密閉することを目指すものだ。外傷の止血では承認を得ているが、手術用途はヒトでの試験を予定する段階にある。2027年の試験を通じ、手術中の止血や損傷組織の修復に向けた検証が進みそうだ。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月20日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。