MIT、胎児の脳のMRI撮影を支援するAIを開発、頭の対称性で動きを追う
MITなどは、胎児の脳のMRI撮影を支援するAI「E(3)-Pose」を共同開発した。頭の左右対称性を組み込み、動きによる画像のずれに対応する研究だ。主に妊娠後期の画像で学習しており、今後の改良も目指す。
サイエンス- ●MITなどが胎児の脳のMRI撮影を支援するAIを共同開発
- ●頭の左右対称性を組み込み、動きを追う仕組み
- ●主に妊娠後期の画像で学習し、早い時期への対応は今後の課題
妊娠中に胎児の脳のMRI検査を受ける人に関わる、撮影支援の研究だ。
妊娠中期やそれ以前にも役立つよう改良が進めば、撮影支援の対象が広がる可能性がある。
MIT(マサチューセッツ工科大学)は2026年10月19日(米国時間)、胎児の脳のMRI撮影を支援するAI研究を発表した。MRIは体内を画像で調べる検査で、今回の研究は胎児の頭の動きへの対応を扱う。
何が発表されたのか
MIT、ボストン小児病院、Inriaが共同開発したのは「E(3)-Pose」だ。MITによると、胎児の頭の動きを追い、高精細な画像の取得を助ける。研究論文は2026年の欧州コンピュータビジョン会議で発表された。
出生前の超音波検査で脳の異常が疑われると、追加のMRI検査が行われる。胎児の頭部MRIでは、複数の2次元断面画像を重ね、立体的な3次元画像を作る。
ただし、撮影中に胎児の頭が動くと、断面の向きがずれる。画像に欠落が生じることもある。MITによると、こうした欠落やずれは、脳の異常の見逃しや誤診につながり得る。
かんたんに言うと、左右の形を手がかりにする
断面画像から立体を作る作業は、薄く切ったものを元の形に積み直す作業に似ている。途中で向きの違う断面が混じると、そのままでは全体の形をそろえにくい。胎児の動きで起きる撮影上の問題も、このたとえで捉えられる。
E(3)-Poseは、胎児の頭の左右対称性をAIの構造に組み込んでいる。左右の形が対応するという特徴を、向きを知る手がかりにする仕組みだ。MITは、対称性を組み込むことで、脳の向きを正確に捉えやすくなるとしている。
研究では妊婦の協力を得てMRI画像を集め、AIの学習に利用した。ただし、学習に使ったのは主に妊娠後期の胎児の画像だ。研究者によると、妊娠中期の胎児は小さく、子宮内の空間が広いため、より動き回る。
日本では
日本との関わりは発表には書かれていない。今回の発表は、胎児の脳の撮影を支援する研究についてのものだ。
まとめ
E(3)-Poseは、頭の左右対称性を手がかりに、動きで難しくなるMRI撮影を支援する研究だ。研究者は今後、妊娠中期やそれ以前の胎児の撮影にも役立つよう改良したいとしている。
また、研究者はMRI撮影の自動化による検査の短縮や、妊婦の負担軽減を期待している。より早い時期の胎児にも対応できれば、撮影を支援できる対象が広がる可能性がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月20日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。