岩井コスモ証券、ネット取引の4,611人の名前やメールアドレスが漏えい システムを作る委託先の「管理機能」の設定不備を突かれる
岩井コスモ証券は、ネット取引のシステムの運用を任せているトレードワークスのシステムに不正アクセスがあり、ネット取引の利用者4,611人の名前やメールアドレスなどが外に漏れたと発表した。トレードワークスによると、システムの一部の管理機能の設定に不備があり、そこを悪用された。口座に不正にログインされるおそれは無いという。
IT- ●岩井コスモ証券のネット取引の利用者4,611人の名前やメールアドレスなどが漏れた。10月14日に不正アクセスに気づいた
- ●原因は、システムを作る委託先トレードワークスの、一部の管理機能の設定の不備。ログインの守りの仕組みは破られていない
- ●漏れた情報だけでは口座へのログインや取引はできないという。岩井コスモ証券をかたる電話やメールに注意
岩井コスモ証券でネット取引をしている人は、会社をかたる電話やメールに気をつけたい。漏れたのは名前とメールアドレスなので、それらしいメールが届きやすくなる。メールのリンクからログインせず、公式サイトや公式アプリを自分で開いて確かめるのが安全だ。
トレードワークスは、外部の専門機関と点検を続け、新しく分かったことがあれば知らせるとしている。損失や対応の費用は全額を負担し、サイバー保険を使う見込みだという。
岩井コスモ証券は2026年10月16日、インターネット取引のシステムの運用と保守を任せているトレードワークスのシステムが不正アクセスを受け、ネット取引の一部の利用者の情報が外に漏れたと発表した。漏れたのは4,611人分で、名前やメールアドレスなどが含まれる。トレードワークスも同じ日に、原因などを発表した。
何が起きたのか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 気づいた日 | 2026年10月14日(水) |
| 漏れた人数 | 4,611人(ネット取引の一部の利用者) |
| 漏れた情報 | 名前、メールアドレスなど |
| 二次被害 | 今のところ確認されていない |
岩井コスモ証券は10月14日に、第三者による不正アクセスに気づき、すぐにトレードワークスに連絡して、アクセスを制限するなどの手を打った。トレードワークスは同じ日のうちに、悪用された機能を止め、不正につながれた接続を切り、攻撃元からの通信をふさいだ。
原因は「管理機能」の設定の不備
トレードワークスによると、利用者がログインするときは、多要素認証やパスキーなど、何重もの確認の仕組みがあり、ふつうの入り口からの不正なログインは防げていた。一方で、システムの一部の「管理機能」の設定に不備があり、第三者にそこを悪用された。同社は「当社の管理が不十分であったことによる」としている。
悪用された管理機能を通じて、利用者のパスワードが取られたことは確認されていないという。
玄関の鍵は何重にもかけていたのに、裏の管理用の勝手口の鍵が開いていたようなものだ(TECHNOVAの見方)。利用者がどれだけ気をつけていても、サービスを作る側の設定の穴を突かれると、情報は漏れてしまう。
利用者への影響
両社によると、漏れた情報だけでは、証券口座へのログインや取引はできない。岩井コスモ証券は、対象の4,611人には、すでに一人ずつ知らせたという。
ただ、名前とメールアドレスがそろって漏れたので、岩井コスモ証券を装った電話やメールが来るおそれがある。同社は注意を呼びかけ、身に覚えのない連絡や取引については、お客様相談室(0120-405-546、平日9時〜17時)に問い合わせるよう案内している。
ほかの証券会社は
トレードワークスは、証券会社などの金融機関向けに、ネット取引のシステムを提供している。同社は、自社のシステムを使うほかの金融機関も点検し、必要な対策をしたとしている。今のところ、同じことは確認されていないという。外部の専門機関による点検も続ける。
費用と今後
トレードワークスは、この件で出た損失と対応の費用を全額負担する方針で、加入しているサイバー保険が使える見込みだとしている。岩井コスモ証券は、トレードワークスに、弱い箇所をもう一度点検し、安全の管理の体制を強めるよう求めている。
今からできること
- メールのリンクからログインしない: 岩井コスモ証券を名乗るメールでも、リンクは押さず、公式サイトや公式アプリを自分で開く
- 電話で暗証番号などを聞かれても答えない: 証券会社が電話でパスワードを聞くことはまず無い(TECHNOVAの見方)
- 取引の履歴を確かめる: 身に覚えのない取引が無いか、ときどき見ておく
かんたんに言うと
岩井コスモ証券のネット取引のシステムを作る委託先が、管理用の機能の設定の不備を突かれ、4,611人の名前やメールアドレスなどが漏れた。口座へのログインはできない情報だが、会社をかたる電話やメールには気をつけたい。
まとめ
岩井コスモ証券では、委託先のトレードワークスのシステムの設定の不備から、ネット取引の利用者4,611人の情報が漏れた。ログインの守りは破られておらず、二次被害も今のところ無い。利用者は、会社を装った連絡に注意し、公式の入り口から確かめる習慣を持ちたい。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月19日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。