ディープフェイク動画関連のブロック、日本で前期の約9倍に ノートンのGen調べ
ノートンやアバストを提供するGenは10月20日、2026年4〜6月の「脅威レポート 日本版」を発表した。日本でディープフェイク動画に関連する攻撃のブロック件数が前期の約9倍になった。Genが止めた件数で、日本全体の被害の数ではない。
IT- ●日本のディープフェイク動画関連のブロック件数が前期の約9倍に。世界全体は約3倍
- ●数字はGenがブロックした件数で、日本全体の被害の数ではない
- ●有名人が投資を勧める動画は、公式の発信で本人か確かめたい
YouTubeやSNSで、有名人がお金や投資の話をする動画を見る人に関係する。顔や声が本人そっくりでも、公式サイトや公式アカウントで確かめたい。
Genは、日本の利用者に合わせた日本語の偽動画が広がっている可能性があるとみる。国はSNS各社になりすまし広告への対策を求めており、取り組みが進みそうだ。
セキュリティソフト「ノートン」などのGenは2026年10月20日、4〜6月の「脅威レポート 日本版」を発表した。日本では、ディープフェイク動画に関連する攻撃のブロック件数が、前の3か月(1〜3月)の約9倍に増えたという。
何が発表されたのか
Genによると、ディープフェイク動画に関連するブロック件数は、世界全体では前期の約3倍だった。日本では約9倍で、世界と比べて大きく伸びた。日本でブロックした約51,600件のうち、日本語のものは約43,200件で、最も多かった。Genは、日本の利用者に合わせて作られた内容が広がっている可能性を示すとしている。
日本では、攻撃全体のブロック件数は前期より7.7%減った。一方で、人をだまして動かす手口は増えた。フィッシング(本物そっくりの偽サイトに誘う手口)は45.0%増の1,566万件だった。詐欺の攻撃全般は27.0%増の2,062万件だった。宅配便の通知を装うSMSの詐欺は7,370.9%増えた。YouTubeやGoogleの広告から偽の警告画面に誘い、サポートの電話番号にかけさせる手口も見つかった。
かんたんに言うと
ディープフェイクは、AIで作ったり加工したりした、本物そっくりの偽の映像や音声のことだ。有名人が投資を勧めているように見せる動画などに悪用される。
数字はどう数えたのか
件数は、Genが自社の守りの仕組みでブロックした数だ。Genの英語版の上半期のレポートは、偽の動画の見つけ方をこう説明している。利用者がネットで動画に出会うと、端末の上の保護機能が、AIで作られた跡や加工の跡を調べるという。Genの製品を使う人の中での数で、日本全体の被害の数ではない。
Genが発表に添えた図では、日本語の43,190件のうち「詐欺」とされたのは3.5%だった。ディープフェイク関連の件数が、そのまま詐欺の件数というわけではない。残りの中身は、発表には書かれていない。宅配便を装うSMSも、前期の件数が少なく、6月に攻撃が集中したとGenは説明している。
身を守るには
Genは、有名人や企業の関係者が出る動画でも、AIで作った偽物の可能性があるとして、次のように呼びかけている。
- 投資や支払い、個人情報の入力を促す内容は、公式サイトや公式アカウントで事実を確かめる
- 広告やSMSのリンクはすぐに開かず、公式のアプリやサイトから確かめる
- 突然出る警告画面の電話番号に、すぐに電話しない
警察庁も、著名人が無料で投資教室を開いたり、確実に利益が出る話を無料で教えたりすることは基本的にないとしている。お金を振り込む前に、本人の公式アカウントの発信を確かめるよう求めている。不安なときは、警察相談専用窓口(#9110)や消費者ホットライン(188)に相談できる。
国も動いている。警察庁など7府省庁は2026年8月7日、SNSなどを運営する大手5社に、「なりすまし詐欺広告」への対策の強化を文書で求めた。ディープフェイクで著名人の肖像や音声を無断で使った広告などのことだ。
まとめ
Genの調べでは、日本でディープフェイク動画に関連するブロックが4〜6月に大きく増え、日本語のものが目立った。ただし、これは1社が止めた件数で、すべてが詐欺とも限らない。有名人が出る動画でお金の話が出たら、公式の発信で確かめる習慣が身を守る。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月23日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。