FDA、膀胱がん治療薬Anktivaの承認対象を拡大 BCGが効かない成人に
米国食品医薬品局(FDA)が、膀胱がん治療薬Anktivaの承認対象を拡大した。既存の治療が効かず、筋層に広がっていない高悪性度の乳頭状膀胱がんのみを持つ成人が対象。日本での提供は発表されていない。
サイエンス- ●FDAが膀胱がん治療薬Anktivaの承認対象を拡大
- ●免疫を働かせる既存治療が効かない成人の一部が対象
- ●日本での提供は発表されていない
膀胱がんの治療を受ける人や家族に関わるニュースだが、対象となるがんの種類や条件は限られる。
類似するがんの試験結果を承認に活用する指針が整えば、治療の選択肢を広げる判断につながる可能性がある。
米国食品医薬品局(FDA)は2026年10月14日(米国時間)、膀胱がん治療薬Anktivaの承認対象を拡大した。承認を受けた企業はAltor BioScience, LLCだ。
どのような患者が対象か
対象はBCGが効かず、筋層に広がっていない高悪性度の乳頭状膀胱がんのみを持つ成人だ。BCGは、FDAによると膀胱内の免疫を活性化し、がんと闘わせる治療である。この患者群に特化したFDA承認の治療は初めてとしている。
AnktivaはBCGと併用する。既に、乳頭状腫瘍の有無を問わず、成人の膀胱上皮内がんで承認されていた。今回は、その承認を支えた試験結果と、両がんの科学的な類似性を基に対象を広げた。
既存の承認を支えた試験では成人77人を評価した。一部は乳頭状腫瘍も持っていた。FDAによると、62%で追跡評価時に高悪性度のがんが検出されなくなった。その反応が得られた人の58%は、少なくとも12カ月間その状態を維持した。
これは今回の対象者だけを調べた試験の数値ではない。既存の承認を支えた結果を、類似するがんの判断に活用した点が重要だ。
かんたんに言うと、形の違うがんへ対象を広げた
膀胱の内側を壁にたとえると、上皮内がんは壁の表面に平らに生じるがんだ。一方、乳頭状腫瘍は内側から指状に突き出して育つ。筋層に広がっていないとは、壁の奥にある筋肉の層までは達していない状態を指す。
ただし、浅い位置にあることと、広がりにくいことは同じではない。高悪性度のがんは、低悪性度より増殖や広がりが起きやすい。
FDAは、Anktivaの追加が免疫に別の働き方を与えると説明する。BCGだけでは効かない一部に有効としている。
投与にはカテーテルという管を使い、両薬を膀胱内へ直接入れる。週1回、6週間行い、反応に応じて追加する。治療は最長37カ月続ける場合がある。
副作用には排尿痛、頻尿、血尿、尿路感染症、発熱などがある。処方情報は、膀胱の切除手術を遅らせる危険も警告する。がんが全身に広がり、死亡につながる恐れがあるためだ。
日本では
日本での提供は発表されていない。今回の発表は米国の承認対象の拡大であり、日本で使えることを示すものではない。
まとめ
今回の承認は、特定の条件を満たす成人に対象を広げるものだ。膀胱がん全体に対象が広がったわけではない。
FDAは、上皮内がんの試験を類似のがんの承認に活用する指針案の最終化を進めている。科学的な類似性に基づき、治療の選択肢を広げる判断につながる可能性がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月15日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。