ハーバード大学がAIとの恋愛を考察、社会学者が問う人同士の支え合いの価値
ハーバード大学がAIとの親密な関係を考えるインタビューを掲載した。社会学者シェリー・タークル氏は、AIに愛されていると感じることと、人同士で支え合うことの違いを指摘。孤独への対策をAIに頼る方向に警鐘を鳴らす。
AI- ●ハーバード大学がAIとの親密な関係を考える対話を掲載
- ●タークル氏は、親密な返答と相手を気遣うことは別だと指摘
- ●常に肯定するAIを基準に、人の共感を測る危険に警鐘
AIとの会話に安心を感じる人にとって、身近な人との関係をどう捉えるかを考える話題だ。
AIを孤独への対策に使う際、人同士の支え合いをどう残すかが、改めて問われる可能性がある。
ハーバード大学は2026年10月14日、AI(人工知能)との親密な関係を考えるインタビューを掲載した。取材相手は、同大学の卒業生でもあるMITの社会学者シェリー・タークル氏だ。
AIとの恋愛で何を問うのか
タークル氏の新著が問うのは、人間との深い関係を機械で置き換えることの影響だ。今回のインタビューでは、AIとの関係で幸福を感じることと、人同士が支え合うことを区別している。
同氏によると、AIは人間関係の摩擦なしに、愛されている感覚を演出できる。一方、親密な会話ができても、チャットボット(会話をするプログラム)自体が利用者を気遣うわけではないという。
特に指摘するのは、常に肯定するAIを基準にする危険だ。その基準で、身近な人がどれほど共感してくれるかを評価することに警鐘を鳴らしている。AIとの関係で幸福を感じても、人同士が支え合う価値は代替できないというのが同氏の主張だ。
かんたんに言うと、返事と気遣いは別
たとえるなら、優しい言葉が書かれたカードを読んで安心することと、誰かが自分を心配してくれることは同じではない。タークル氏が示すのも、会話から受け取る感覚と、相手が自分を気遣うことの違いだ。
同氏は、チャットボットが一人称を使うことで、人間のような相手がいると錯覚させると指摘する。また、ロボット玩具を世話する経験が、機械への愛着につながると述べている。
SNS(交流サイト)については、悲しさや退屈を画面で紛らわせる習慣を広げたと指摘した。今回の話題は、AIとの恋愛だけに限らない。医療や教育の人手不足をAIで補う議論も、根本問題を避けていると批判している。
日本ではどう受け止める話か
日本との関わりは発表には書かれていない。今回の掲載内容は、製品やサービスの提供案内ではなく、AIと人間の関係をめぐる社会学者へのインタビューだ。
まとめ
タークル氏は、人への支援を減らし、孤独への対策をAIに頼る方向に警鐘を鳴らす。家族や育児、環境問題への対応には、人間が現実社会に関わることが必要だと訴えている。
AIとの会話で得る安心感と、人同士で支え合う価値を分けて考えることが、今後さらに問われる可能性がある。便利さだけでなく、人への支援をどう残すかも論点になりそうだ。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月15日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。