島津製作所と花王、舌の汚れと歯垢のつきやすさに関係の可能性を示す研究成果
島津製作所と花王の共同研究で、歯垢がつきやすい人は舌の汚れも多いことが示された。汚れには細菌の栄養源となる成分も豊富に含まれていたという。両社は、舌を含む口内全体のケアが重要だとしている。
サイエンス- ●島津製作所と花王が舌の汚れと歯垢の共同研究成果を発表
- ●両社によると、歯垢がつきやすい人は舌の汚れも多かった
- ●両社は舌を含む口内全体のケアが重要だとしている
日々の歯磨きを気にしている人にとって、歯だけでなく舌の汚れにも目を向ける研究だ。
舌の汚れと歯垢の関係の理解が進めば、口内全体のケアを考える手がかりになる可能性がある。
島津製作所は2026年10月19日、花王と共同で進めた、舌の汚れと歯垢に関する研究成果を発表した。両社によると、歯垢がつきやすい人では舌の汚れが多く、両者が関係する可能性が示された。
舌の汚れと歯垢にどんな関係があったのか
研究で注目したのは、舌苔(ぜったい)と呼ばれる、舌の表面に付着する汚れだ。歯垢はむし歯や歯周病の原因となり、歯磨きなどで取り除くことが推奨されている。一方、島津製作所によると、歯垢のつきやすさを左右する要因は十分に解明されていなかった。
両社は健常者の歯垢を除去した後、2日間歯垢を蓄積させる試験を行った。調べたのは、歯垢だけではない。舌苔と唾液も対象にし、含まれる成分や細菌を分析した。
研究には島津製作所の分析機器やデータベース(情報を整理して蓄えたもの)を使い、細菌の構成も調べた。両社によると、合計1,000を超える成分や菌種を特定したという。
かんたんに言うと、舌の汚れが細菌の「食料庫」に
分析では、歯垢がつきやすい人では舌苔の量が多かったという。また、舌苔には細菌の栄養源となる成分が豊富に含まれていたと両社は説明している。
身近なものにたとえるなら、舌の汚れは細菌にとっての「食料庫」のようなものだ。単に汚れの量を見るだけでなく、その中に何が含まれるかも調べた点が、この研究のポイントである。
両社は、舌苔の量や質が歯垢のつきやすさに関係する可能性が示されたとしている。ここで示されたのは、舌の汚れと歯垢との関係の可能性だ。舌をきれいにすれば必ず歯垢が減るとまで示されたわけではない。
歯だけでなく、口内全体に目を向ける研究
両社は今回の結果から、舌を含む口内全体のケアが重要だとしている。歯垢そのものに加え、舌苔や唾液まで調べることで、歯垢のつきやすさを口の中全体から捉えた研究である。
成果は2026年10月16~17日、広島県の第69回秋季日本歯周病学会学術大会で発表した。
まとめ
今回の研究は、歯垢がつきやすい人では舌苔が多く、その中に細菌の栄養源となる成分も豊富にあったというものだ。舌苔の量だけでなく、含まれる成分にも注目している。
舌の汚れと歯垢の関係の理解が進めば、歯だけでなく、口内全体のケアを考える手がかりになる可能性がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。