ESAの小惑星探査機Heraが減速へ、衝突の影響を調べる準備を発表
ESAは小惑星探査機Heraの減速計画を発表した。探査対象と速度を合わせるため、段階的に噴射を行う予定だ。NASAのDARTが衝突したディモルフォスを近距離で調べ、地球を守る取り組みに向けたデータを集める。
- ●ESAが小惑星探査機Heraの減速計画を発表
- ●段階的な噴射で探査対象との速度差をほぼゼロにする計画
- ●HeraはDARTの衝突の影響を近距離で調べる予定
小惑星の衝突から地球を守る方法に関心がある人にとって、その効果を調べる探査の動きだ。
計画どおりに減速が進めば、DARTの衝突の影響を近距離で調べる準備が進みそうだ。
欧州宇宙機関(ESA)は2026年10月7日、小惑星探査機Heraの減速計画を発表した。小惑星の衝突から地球を守る取り組みに向け、探査対象との速度を合わせるための操作だ。
何が発表されたのか
Heraが目指すのは、小惑星ディディモスと、その周囲を回るディモルフォスだ。ESAによると、Heraは現在、地球に対して秒速12キロメートル超で飛行中である。
最初の減速操作は「BRM-1」と呼ばれる。発表の日程では、2026年10月15日早朝に実施予定だ。スラスター(噴射で探査機の動きを変える装置)を3基同時に点火する。93分間連続噴射し、小惑星に対する速度を秒速数百メートル下げる計画としている。
噴射後は、オーストラリアのニューノルシアにあるアンテナで通信を受ける予定だ。ESAは受信データを使い、減速の方向と量が計画どおりかを確認する。
2回目の「BRM-2」は、2026年10月22日早朝に約31分間の噴射を予定している。ESAによると、BRM-1の誤差も補い、必要な減速の大半を終える計画だ。2026年10月末ごろには、さらに3回の小規模な速度調整を予定している。
かんたんに言うと、相手と速さを合わせる
今回の減速は、単にHeraを止める操作ではない。探査対象の小惑星の速度に近づけるためのものだ。ESAは一連の操作で、小惑星に対するHeraの速度をほぼゼロにするとしている。
たとえるなら、歩いている人のそばで様子を見るため、自分も相手と歩調を合わせるようなものだ。相手との速度差を小さくすることと、その場に止まることは同じではない。地球に対する速度と、小惑星に対する速度も、分けて読む必要がある。
その先にあるのが、衝突の影響を調べる探査だ。NASAの探査機DARTは2022年、ディモルフォスに意図的に衝突し、その軌道を変えた。Heraはディモルフォスを近距離で調べ、衝突による影響のデータを集める予定である。
日本では、どのような関わりがあるのか
日本との関わりは発表には書かれていない。今回の発表で示されたのは、Heraの減速操作と、その結果を通信で確かめる計画だ。
まとめ
Heraの減速は、小惑星との速度差を段階的に小さくする計画である。噴射するだけでなく、受信データで結果を確認し、次の操作で誤差を補う点も重要だ。
計画どおりに進めば、DARTの衝突の影響を近距離で調べる準備が進みそうだ。小惑星の衝突から地球を守る取り組みを、観測データで確かめるための段階となる。