クマ対策の電気柵を遠隔で見守る ドコモと北海道上ノ国町が実証を開始
NTTドコモと北海道上ノ国町は10月6日、クマ対策の電気柵の電圧を遠隔で監視し、漏電した区間だけを自動で切り離すシステムの実証実験を始めた。期間は11月30日までの予定だ。
IT- ●電気柵の電圧を遠隔で監視するシステムを実証
- ●漏電した区間だけを自動で切り離し、残りは動かし続ける
- ●住宅に隣接する山林で、11月30日まで検証する
クマの出没に悩む地域の住民や、柵の見回りを担う自治体職員・農家の負担に関わる話だ。
見回りの手間がどれだけ減るかなどを検証する。結果しだいで、ほかの地域へ広がる可能性がある。
NTTドコモと北海道上ノ国町は2026年10月6日、クマ対策に使う電気柵を遠隔で見守るシステムの実証実験を始めた。期間は11月30日までの予定だ。
何が始まったのか
ドコモが開発したシステムを、上ノ国町内の住宅に隣接する山林エリアの電気柵に導入する。対象は総延長約200〜300メートルの電気柵で、昨年度にクマが出没したことから設置された場所だという。町の職員が実際にシステムを使い、遠隔での監視や、故障したときの状況の確認と復旧を試す。
かんたんに言うと
電気柵は、動物が触れると弱い電気が流れ、「ここは危ない」と覚えさせる柵だ。動物を傷つけずに、人が暮らす場所との距離を保つために使われる。
弱点は、1か所の不具合が柵全体に響くことだ。電気柵は柵全体で電圧を共有しているため、伸びた草木が触れたり線が切れたりして漏電すると、全域で電圧が下がる。電圧が下がったまま使い続けると、動物に「電気柵は危険ではない」と学ばせてしまうおそれもあると、発表は説明している。
新しいシステムは、既にある電気柵にポール型の装置を後から取り付ける。区間ごとの電圧を常に遠隔で見張り、電圧が下がった区間を見つけると「リレー」で電気を止めて切り離す。リレーは、電気の信号を受けてオン・オフを切り替えるスイッチの役割を持つ部品だ。家のブレーカーが部屋ごとに分かれていれば、1部屋で漏電しても家じゅうが停電しないのと似た考え方といえる。
何を確かめるのか
漏電した場所を見つける精度と、切り離したあとも残りの区間が働き続けるかを確かめる。故障した場所を探す見回りや管理の手間がどれだけ減るか、電気柵を安定して使えることで心理的な負担がどう変わるかも検証する予定だ。
まとめ
野生動物による農作物の被害や人身被害は、全国的な社会問題になっている。今回の実証は、電気柵を「置いて終わり」にせず、離れた場所から見守って効き目を保つ試みだ。