アクセルスペース、軌道上実証サービス初の試験へ 衛星の姿勢制御機器を検証
アクセルスペースは、軌道上実証サービス初の試験で、共同開発した衛星の姿勢制御機器を検証する。機器は打ち上げ済みのGRUS-3に搭載されているが、その衛星には不具合が確認されている。実証の開始時期は未定だ。
サイエンス- ●アクセルスペースが軌道上実証サービス初の試験を計画
- ●共同開発した衛星の向きを制御する機器を宇宙で検証
- ●搭載先の衛星には不具合があり、実証の開始時期は未定
宇宙開発に関心がある人には、衛星の部品が宇宙で使えるかを確かめる過程を知るニュースだ。
実証で得たデータは、ASPINAによる今後の開発・製品化に役立てられる予定だ。
アクセルスペースは、軌道上実証サービス「AxelLiner Laboratory」で初の実証を行うと発表した。発表日は資料に記載されておらず、実証の開始時期も未定だ。
何を宇宙で確かめるのか
AxelLiner Laboratoryの略称はAL Labだ。小型衛星を使い、宇宙用の部品や機器を実際の軌道上で試すサービスである。
今回の対象は、人工衛星の姿勢を制御する「リアクションホイール」だ。アクセルスペースとASPINA シナノケンシが、2020年から共同開発してきた。100kg級人工衛星向けの機器である。
両社が目指すのは、小型衛星向けの品質と、受注から出荷まで2~3か月の納期だ。今回の実証では、機器の信頼性、姿勢制御性能、環境特性を検証する予定としている。
かんたんに言うと、衛星の「かじ」を試す
衛星の姿勢制御とは、衛星の向きを整えることだ。リアクションホイールは、たとえるなら、そのための「かじ」に当たる機器である。今回は、この機器を宇宙で動かし、性能などを確かめる。
資料によると、宇宙空間には100度を超える温度変化や放射線、真空がある。試験の舞台は、こうした環境だ。
宇宙用機器が軌道上で動作した実績を「フライトヘリテージ」と呼ぶ。いわば、その機器が宇宙という現場で働いた記録である。今回の計画も、実際に宇宙で機器を動かして確かめるものだ。
搭載済みの衛星には不具合も
実証機器は、アクセルスペースの小型衛星「GRUS-3」の1機に搭載済みだ。この衛星は2026年7月7日(日本時間)に打ち上げられた。
ただし、搭載先は不具合が確認されたGRUS-3の4機のうち1機である。アクセルスペースによると、不具合のある衛星でも今回の軌道上実証は可能だとしている。
機器が宇宙に届いていることと、実証が始まっていることは別だ。開始時期は未定で、決定後に改めて発表するとしている。現時点では、実証を終えたという発表ではない。
まとめ
AL Lab初の実証は、共同開発した姿勢制御機器を宇宙で検証する計画だ。搭載先の衛星に不具合がある一方、同社は実証可能としており、開始時期の発表が次の確認点となる。
得られた実証データはASPINAに提供し、今後の開発・製品化に役立てる予定だ。宇宙での動作記録が、機器を製品に仕上げるための判断材料になる可能性がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月15日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。