PHPの緊急の修正を前に、国内のサービスで停止や緊急メンテナンスが相次ぐ さくら、Movable Type、シャドバ、BASEなど
Webサイトづくりに広く使われるプログラミング言語「PHP」の緊急の脆弱性2件が、日本時間10月21日23時に修正されるのを前に、国内のサービスで停止や緊急メンテナンスが相次いでいる。さくらインターネットやシックス・アパートはPHPへの対応だと公表し、ITmedia NEWSによると、ゲームのShadowverse: Worlds BeyondやネットショップのBASEなどもPHPの影響だという。
IT- ●PHPの緊急の脆弱性2件が日本時間21日23時に修正されるのを前に、国内のサービスで停止や緊急メンテナンスが相次いでいる
- ●さくらインターネットはクラウドの一部機能を、シックス・アパートはMovable Typeのクラウド版を、PHPへの対応として止めたり更新したりする。ITmedia NEWSによると、シャドバやBASEなどもPHPの影響だ
- ●コドモンやさくらのレンタルサーバは、理由をPHPとは明かしていない。どのサービスも、利用者の情報を守るための予防的な措置として止めている
21日の夜から22日にかけて、ふだん使っているWebサービスやアプリが使えないことがある。止まっているときは、各サービスの公式サイトや公式Xのお知らせを確かめたい。自分でWebサイトを運営している人は、23時の修正版の公開後に、すぐPHPを更新できるよう準備したい。レンタルサーバの利用者は、サーバの会社のお知らせも確かめたい(TECHNOVAの見方)。
PHPの修正版は日本時間21日23時に公開され、影響を受ける版や直った版も一緒に公表される予定だ。修正が行き渡れば、止めていたサービスは順に再開するとみられる。一方、修正の公開のあとは、攻撃する側が短い時間で悪用を始めるおそれがあると、IPAは警告している。
Webサイトの裏側で動くプログラムを書くための言語「PHP」に見つかった緊急の脆弱性(セキュリティ上の弱点)2件が、日本時間2026年10月21日23時に修正される。これを前に、国内のサービスで、機能を止めたり緊急メンテナンスに入ったりする動きが相次いでいる。
なぜ一斉に止めるのか
PHPの開発チームによると、2件の脆弱性は、どちらも深刻さを表す共通の物差し(CVSS 4.0)で10点満点の9.2と、最も深刻な「緊急」にあたる。欧州連合の機関のCERT-EUは、ログインしていない攻撃者が外からサーバーでプログラムを動かせるおそれがあるとみている(PHPの脆弱性の記事)。
ITmedia NEWSによると、Web技術の使われ方を調べる米W3Techsの調べでは、サーバーで動く言語が分かっているWebサイトの約7割がPHPを使っている。ブログや企業のサイトづくりに広く使われる「WordPress」も、PHPで書かれている。修正版が出る前に攻撃されるのを防ぐため、PHPを使うサービスが、予防のために止めたり、修正をすぐに当てる準備をしたりしているとみられる。
各社の対応
各社の発表と報道をもとに、主な対応をまとめた。PHPとの関係は、各社の説明の仕方によって違う。
| サービス | 対応 | PHPとの関係 |
|---|---|---|
| さくらのクラウド(データベース アプライアンス) | phpMyAdminなどのWeb画面の機能を21日から止めた。再開は未定 | 公式に「PHPの脆弱性への対応」と説明 |
| Movable Type(シックス・アパート) | クラウド版は、PHPの修正版が出たらすぐに更新する緊急メンテナンスを予定 | 公式にPHPへの対応と説明 |
| さくらのレンタルサーバ・マネージドサーバ | 21日22時から、ウェブメールやファイルマネージャ、phpMyAdminなどを止める。Webサイトやメールの送受信には影響しない | 作業の内容は「システムメンテナンス」とだけ説明 |
| コドモン(保育・教育施設向けのサービス) | 保護者アプリを含む全サービスを止めた。22日早朝に再開の見込み | 「利用しているソフトウェアの重大な脆弱性」と説明。ソフトの名前は明かしていない |
| Shadowverse: Worlds Beyond、BASE、pictSQUARE、キンブル | 緊急メンテナンスなど | ITmedia NEWSによると、各社の発表や取材でPHPの影響と分かっている |
| エックスサーバー、つなぐ | 同様の対応を取る見込み | ITmedia NEWSによる |
ITmedia NEWSによると、国家サイバー統括室も、修正版が出たらできるだけ早く対応するよう求めている。
かんたんに言うと
多くの家で使われている同じメーカーの鍵に、弱点が見つかった。鍵の交換部品は今夜23時に届く。部品が届くまでの間に空き巣に入られないよう、店によっては、いったんシャッターを下ろして待っている、という状態だ(TECHNOVAの見方)。
コドモンの停止については、コドモンの全サービス停止の記事にまとめた。
日本ではどうなるのか
止まっているのは、いずれも日本で多くの人が使うサービスだ。21日の夜から22日にかけては、ふだん使っているサービスが使えなかったり、一部の機能が止まったりすることがある。止まっている間は、各サービスの公式サイトなどのお知らせで、再開の時刻を確かめたい。
自分でWebサイトを運営している人は、23時の修正版の公開後、PHPをすぐに更新できるようにしておきたい。レンタルサーバを使っている場合は、サーバの会社がPHPを更新することが多いので、そのお知らせを確かめたい(TECHNOVAの見方)。
まとめ
PHPの緊急の脆弱性2件が日本時間21日23時に修正されるのを前に、国内のサービスで、機能の停止や緊急メンテナンスが相次いでいる。さくらインターネットやシックス・アパートはPHPへの対応だと公表し、ITmedia NEWSによると、シャドバやBASEなどもPHPの影響だという。コドモンなど、理由を明かしていないサービスもある。修正が行き渡れば、順に再開するとみられる。
- さくらのクラウド「データベース アプライアンスにおける一部機能の提供停止のお知らせ」(2026年10月21日)
- さくらインターネット「[緊急]さくらのレンタルサーバ・マネージドサーバ・リセールサービスの一部機能」(2026年10月21日)
- シックス・アパート「[注意喚起] PHP の脆弱性(CVE-2026-109618, CVE-2026-109619)による Movable Type への影響と対応について」(2026年10月21日)
- コドモン「【緊急メンテナンス・続報】10月22日(木)早朝サービス再開見込みのお知らせ」(2026年10月21日)
- The PHP Group「Upcoming Critical PHP Security Release」(2026年10月20日)
- IPA(情報処理推進機構)「【事前準備のお願い】PHPのセキュリティリリース公開予定について」(2026年10月21日)
- ITmedia NEWS「著名ITサービス相次いで緊急メンテへ コドモン、シャドバ、BASE、さくらのレンタルサーバなど 「PHP」脆弱性に起因か」(2026年10月21日)
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。