ESA、Sentinel-3Cの初の地球画像を公開 海面や氷床の観測値も
ESAがSentinel-3Cの初の地球画像と観測値を公開した。打ち上げからわずか2週間で、海の色や氷の様子、海面の高さを捉えた。正式な運用に向けた確認・調整は続き、完了までさらに5カ月かかる予定だ。
サイエンス- ●ESAがSentinel-3Cの初の地球画像と観測値を公開
- ●海の色や氷の様子に加え、海面と氷床の高さを観測
- ●ESAによると、初の観測値は衛星の良好な動作を示す
天気予報や海洋汚染、干ばつの監視に関わる、地球を見守る衛星のニュースだ。
確認・調整はさらに5カ月かかる予定で、運用開始後は海面の高さの長期記録を補う予定だ。
欧州宇宙機関(ESA)は2026年10月8日、Sentinel-3Cの初の地球画像と観測値を公開した。打ち上げからわずか2週間で届いたデータだ。
何が発表されたのか
Sentinel-3Cは、地球観測を担うSentinel-3シリーズの3機目だ。今回は、海洋・陸域の色を観測する装置と、レーダー高度計のデータが公開された。高度計は、海面や氷などの高さを測る装置だ。
イタリア周辺の画像には、ドイツ南部からシチリア島、地中海南部までが写る。ポー平原や雪に覆われたアルプス、沿岸の海の色の違いが見える。
グリーンランド西方のカナダ北極諸島も捉えた。画像には、雪や氷に覆われた島々と、海に浮かぶ割れた氷が写っている。カリブ海の画像では、キューバとバハマ周辺の浅い海を捉えた。
高度計は、大西洋と地中海の海面の高さを測定した。ESAによると、観測値は既存の観測結果と同等だった。グリーンランド氷床の高さも測っている。氷床とは、陸地を広く覆う氷のことだ。
ESAによると、氷床の測定結果は全ての観測経路で基準となる標高モデルとよく一致した。標高モデルは、比較の基準となる高さのデータだ。ESAは、初の観測データが衛星の良好な動作を示すとしている。
かんたんに言うと
今回の観測は、地球の「見た目を記録する写真」と「高さを測る物差し」を組み合わせるようなものだ。色を観測する装置は海や陸の様子を捉え、高度計は高さを数値で捉える。
きれいな地球の写真だけが目的ではない。ESAによると、Sentinel-3は海面の温度・色・高さや海氷の厚さを測る。その観測は、海洋汚染や海洋熱波の監視に役立つという。海洋熱波とは、海の温度が高い状態が続く現象だ。
陸上では、干ばつや山火事、植生の健康状態、土地利用などを監視する。植生は、その場所に生える植物のことだ。ESAは、データが天気予報や気候変動に伴う長期的な変化の監視にも役立つとしている。
日本では
日本との関わりは発表には書かれていない。今回の発表は、地球観測衛星の初の画像と観測値に関するもので、日本の機関や研究者の関与は示されていない。
まとめ
初の画像と観測値は届いたが、運用開始に向けた確認・調整は続いている。ESAによると、完了までさらに5カ月かかる予定だ。
運用開始後、高度計は世界の海面の高さの変化を監視し、既存衛星による長期記録を補う予定だ。海面・地表面の温度を測る装置の初の観測も近日公開予定である。