キヤノンMJとFREE、美濃加茂市の宿泊施設で水を循環利用する実証を開始
キヤノンMJとFREEは、岐阜県美濃加茂市の宿泊施設で水を循環利用する実証を開始する。大気中の水分や雨水を活用し、使用後の水も浄化して再利用。宿泊人数に応じた設備の動作や水質、運用の負担を確かめる。
サイエンス- ●キヤノンMJとFREEが宿泊施設で水循環の実証を開始
- ●大気中の水分や雨水を使い、使用後の水も浄化して再利用
- ●水質や製水量に加え、運用コストや維持管理の負担を検証
災害時の断水に備えたい人や、宿泊施設の水の確保を考える人に関わる実証だ。
実証で運用面の確認が進めば、災害対応拠点などで水を確保する選択肢になる可能性がある。
キヤノンMJは2026年10月16日、FREEと水を循環利用する仕組みの実証を2026年10月より開始すると発表した。場所は岐阜県美濃加茂市の宿泊施設「月読の宿」だ。
宿泊施設で水の確保と再利用を検証
今回の実証は、水を作り、使った水を浄化して再び利用する仕組みを、宿泊施設で確かめるものだ。キヤノンMJによると、大気中の水分や雨水を使い、飲用水と再利用水は用途に応じて使い分ける。
両社は2025年9月から2026年3月まで、岐阜県土岐市の住宅でも実証した。今回はそこで得た知見を基に、複数の利用者が泊まる施設での運用を検証する。
宿泊人数や水の使用状況に応じて、設備がどう動くかを継続的に確認する。住宅での検証に続き、宿泊施設という利用の場で運用を確かめる段階だ。
かんたんに言うと、水を一度で使い切らない仕組み
身近なたとえで言えば、水の流れを一方通行にせず、手入れをして戻す輪をつくる考え方だ。新たな水を得る仕組みと、使った水を再利用する仕組みを組み合わせる。
中核となるのは、FREEが開発・提供する「空気製水機POTORI」だ。空気製水機とは、大気中の水分から飲料水を作る装置であるとキヤノンMJは説明している。
水だけでなく、設備を動かす電力も実証の要素となる。同社によると、太陽光パネルと蓄電池を使い、公共の電力・上下水道への依存を抑える仕組みだ。水と電力の両面を組み合わせて検証する。
水質だけでなく、維持管理の負担も確認
実証では、水質、製水量、循環水の再生状況、エネルギー消費量のデータを集める。日常の維持管理や、離れた場所から設備の状態を確認する遠隔監視の方法も検証する。
FREEは水循環の仕組みの構築・運用を担う。キヤノンMJは事業企画や事業の仕組みの検討、販売・保守体制の構築を担当する。設備の稼働状況や水質を遠隔で把握するシステムの導入にも取り組む。
事業化に向けては、設備の運用コストや維持管理の負担も検証する。水を作って再利用する性能と、日々運用する際の負担が、いずれも確認の対象だ。
まとめ
両社が目指すのは、平時の水資源の有効活用と、災害による断水時の水確保だ。将来は過疎地域や中山間地域、災害対応拠点などへの展開を目指す。老朽化が進む上下水道を補う用途も想定している。
今回の実証で水質や運用面の確認が進めば、地域や施設で水を確保する選択肢になる可能性がある。
チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月16日)
代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。